私はいじわる 小悪魔が住みついた
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9-⑸
日曜日、私は、昂君ちに迎えにいった。翠ちゃんにもらったフレァーになったスカートのワンピースに白いカーディガンで、制服以外でスカートを着るなんて、久々だった。髪の毛もリボンで結んでいた。自分でも、女の子に戻ったような気分だった。
「おう 今日は妙に可愛いな そんなのと、歩いていたら、カメラマンに追いかけられたら、どうしょう」
「あんな ばかにしてんのかー 昂のために 可愛くしてきたんやんかー 見て このリボンも」
「そうか じゃぁ 行くかー お姫様」
「う うん なぁ そんなに可愛い?」
「あ あー 可愛い かわいい かわい 河合が100人揃ったくらいな」
「うんもー なんで いつも ウチのことを・・まぁ ええわー そんだけ ウチのことが好きってことやろー」
「ああ 好きだよ」
「昂 ウチも好きやー」と、幸せの気分も一瞬だった。
「真珠のパンツも可愛いもんな―」
「うー なんやねん 人がその気になってんのにぃー もぉうー この前、あんなに落ち込んどったのに そんな ことばっか このバカ 変態」
「変態ってことあるか 男なら当然 興味あるやんか それとも、なにかー 他の女の子の見て、喜んでるほうが ええんかー」
「うー・・ あかん そんなん やめて」
いつも うまいこと 言い返されてしまうんや。こいつはー。
「あっ チビッコがサッカーやってるでー あのへんに座ろ―な」と、土手の階段になってるところで、私はハンカチを敷いて座り込んだ。もちろん、隣に昂君の分も用意していた。お天気もポカポカと。
「なぁ お兄ちゃん達 図書館で一緒に勉強やって ふたりで進学校に行くんやろー 仲ええなぁー ずーと 一緒なんやろか 大学も」
「お互い 好きって言ってんねんから そーなんやろー」
「ええなぁー でも、昂も さっき ちょっと言ってくれたね」
「あぁ まぁな 言わせたんちゃうかー」
「それでも ええねん うん 真珠ちゃんは嬉しかったんやから」
「たんじゅ~ん!」
「なんやねん もう」と、私は、お弁当を自分のひざの上で広げて
「今日のはなー タラコとおかか 甘いのんと ツナマヨ とー どれかにウチへの惚れ薬が入ってるからな」
「あっ 卵焼きにしょっ 無難やからな」
「あっ それにも、入ってるでー」
「もう うるさい これ以上 惚れさせてどうすんねん」
「えへー やっと わかったかー 昂は もう ウチの虜なんよ」
「真珠が こんなに恐ろしい女だと知らなかった」
なんだかんだと言いながら、昂君は私の膝のうえから、手を伸ばして、おいしいと食べてくれた。そして、この前と同じように、一つのコップでお互いに、お茶を飲んでいた。
「真珠 なぁ この下を歩いている人 パンツ 見えているんちゃんかー お前 足 ひろげっ放しやんか」
「えぇー だってさー お弁当 落ちそうやんかー ええから 昂 下にいって、見てきてなー」
昂は下で見てきたけど、戻ってきて何にも言わなかった。
「なんやのん どうなん 見えたんかー」
「うーん 丸見えや 足 閉じとけ でもな、暗くて、よく見えてへんから安心せー」
「うん わかったー 昂 はよ 全部 食べてしもてーな」
そして、片づけて、立とうとして、私は、よろけたふりして、無様に転んでいた。
「真珠 なにしてんねん 大丈夫か」と、昂君は腕を引き上げてくれた。
「うふっ 見えたかー つまらんやろー 水色のしましまやー」
「真珠 わざとやろー」
「ウチ 露出狂ちゃうよー 他の女の子のん見て 喜んでほしないからな 真珠ちゃんへの惚れ薬 ちょっと元気出たやろー」
「アホ シマシマパンツ」
その後、散歩して、私は昂君の手を繋いでいったら、離さなかった
「やめろやー いっぱい 人がおるのにー」
「ええやん 仲ええんやからー」と、私は離さなかった。
「昂 元気になったかー 野球辞めるなんて言わんとってな―」
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