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東方絆日録 ~ Bonds of Permanent.

作者:福岡市民
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共存編
  早苗:紅魔館②

フランが少しずつ狂気に呑まれつつあるのだろう。
弾幕の密度がどんどん濃くなってきていることに(西)は気づいた。


(西)「ねえフランちゃん!ちょっとお遊びが過ぎとるよ⁉︎」

フラン「アハハハハ!“遊ビ”ナンカじゃナイヨ‼︎ コレハ“殺シ合イ”ナンダカラ早苗も全力デカカッテコナイト……死ヌよ?」


ここで(西)はようやく萃香から言われた言葉の意味を理解した。だがもう遅い。

フランから放たれる狂ったような弾幕の嵐を何とか避けつつ、必死で打開策を考えていたそのとき。
完全に狂気に堕ちたフランが信じられないことを口にした。


フラン「アアモウ!面倒ダカラ壊シチャエ♪」

(西)「え?」




~禁弾「スターボウブレイク」~




刹那、上から弾幕の塊が覆いかぶさるように降ってきた。(西)は赤い星形の弾幕で応戦しながらただひたすらスペルブレイクの時を待つ。
やがてスペルブレイクを迎えたーーー




~禁忌「フォーオブアカインド」~




ーーーと思ったら間髪いれずフランがまたスペルを仕掛けてきた。



フラン①「フフフ、ココマデ大変ヨクデキマシタ。褒メテアゲルネ♪」

フラン②「でももう逃げられないわよ」

フラン③「だって早苗はーーー」

フラン④「ここで消えるんだもん♪」




~禁忌「カゴメカゴメ」~

~禁忌「レーヴァテイン」~

~禁忌「クランベリートラップ」~

~禁弾「過去を刻む時計」~




周りを弾幕で囲まれたうえフランが振り回すレーヴァテインからは炎が次々と出現し、そうかと思いきや使い魔から縦横無尽に放たれる弾幕や反時計回りに回転するレーザー光線が行く手を阻む。
さらには4人のフランが好き勝手に弾幕を撃ちまくっている。
これを避けるのはまず無理だろう。


フラン「ドンドンイクヨー♪」




~禁忌「恋の迷路」~

~禁断「カタディオプトリック」~

~秘弾「そして誰もいなくなるか?」~

~QED「495年の波紋」~




(西)は暴走するフランを止めようと説得を続けるが、フランはそれを聞き入れるどころかますます弾幕の密度を濃くしていく。


西(ああ、早よフランちゃんば止めな…大ごとになるばい!)


焦りだけが(西)の心を支配していく。
気を緩めると彼女までも狂気に呑まれかねない。体力も限界に近かった。


フラン「キャハハ、凄イ凄イ♪凄ク楽シイヨ♪」


いつの間にスペルブレイクしていたらしい。1人になったフランが楽しそうに手を叩いていた。


(西)「フラン…ちゃん……」

フラン「早苗、疲レチャッタノ?……ジャア、私ガ休マセテアゲル♪…ソウ、永遠ニネ」

(西)「……は?」


フランは両手を目一杯広げた。


フラン「オヤスミナサイ…イイ夢ヲ♪」




キュッとして―――




フランが両手を握りしめるにつれ、じわじわと(西)の意識がフランのほうに持っていかれる。


西(フランちゃん!お願いやけん、頼むけん目を覚まして…!!)


叫ぼうにも声が出ない。
そうこうするうちにもフランの拳はどんどん握りしめられていく。


西(だ、誰か…。)


(西)はもはや、体力的にも精神的にも限界を越えようとしていた。
ーーーそのときである。




~想い「闇を照らす太陽」~




前触れもなくスペルが発動し、部屋全体が白い光に包まれた。





―――ドカーン




その直後、フランの両手が完全に握りしめられて(西)の記憶はそこで途切れた。 
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