恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百十九話 曹操、乳を飲むのことその六
「いつも滅茶苦茶に飲んでるのに」
「あたいはあたいの分量を弁えてるさ」
「だったらいいけれどね」
言いながらだ。荀彧は自分の酒を飲む。盃の中のそれを。
そうしてだ。また言うのだった。
「私もそうだし」
「もう結構飲んでないか?」
「量はそんなに多くないわよ」
「じゃあ強い酒なんだな」
「ブランデーっていうお酒よ」
それが今荀彧が飲んでいる酒だった。ここでだ。
文醜は酒の匂いを嗅いだ。その匂いは明らかに彼女の世界の酒のものではなかった。
その匂いを嗅ぎながらだ。文醜は言った。
「いい匂いだな、これも」
「あんたも飲むわよね」
「牛乳と一緒にな」
それは絶対だというのだ。
「その酒なら牛乳と割ってもいけるよな」
「私達の世界のお酒よりも合うわよね」
「じゃあそれでいいか?」
「ええ、それじゃあね」
荀彧も応えてだ。そのうえでだ。
文醜も卓に加わった。そうして彼女も飲みはじめた。その中でだ。
ナコルルがだ。普段とはいささか違う熱い口調で話をはじめた。
「私、荀彧さんのその御考えにです」
「賛成してくれるのね」
「ずっと悩んでいました」
そうだったとだ。切実な顔で話す。
「胸が小さいことはどうなのかと」
「そうよね。ナコルルの胸だってね」
荀彧もその胸を見る。リムルルのものもだ。
「私達と同じだから」
「けれどわかりました」
ナコルルは強い口調で言う。そのブランデーと牛乳を割ったものを飲みながら。
「胸が小さいことも素晴らしいことです」
「そうよ。巨乳が何だっていうのよ」
荀彧もここぞとばかりに主張する。
「ほら、舞の胸」
「あの人意外にもですけれど」
「あんな牛みたいな胸何の意味もないわよ」
こう力説する猫耳だった。
「肩が凝るだけよ。そうでしょ?」
「はい、その通りです」
ナコルルは荀彧のその言葉に強く頷く。
「そして重いだけです」
「何の意味もないのよ」
「それなのにどうして世の中の男の人は」
「馬鹿だからよ」
完璧にだ。荀彧は言い切った。
「何よ、胸なんてね」
「小さい方がいいですよね」
「張勲もよ。中身まで胸が大きくて」
「七一六が一番ですよね」
「それを考えるとチャムチャムなんか素晴らしいわ」
荀彧は彼女も仲間だと言った。
「あの胸、私達の同志よ」
「同志は他にもいますよね」
「ほら、ここにいる猪々子もよ」
ここで彼女を指し示すのだった。
「見なさい、この見事な胸を」
「そうそう、もうあたい達同志なんだよな」
「真名で呼び合う仲になったのよ」
「陣営は元々違うのに?」
リムルルも飲みながら問う。
「それでもなの」
「貧乳は陣営を超えるのよ」
「それも易々とだよな」
文醜も飲みながら陽気に話す。
「何たって胸ないのは全部の陣営にいるしな」
「孫策殿のところにもいるわよ」
荀彧は赤い顔で誇らしげに主張する。
「小蓮ね。その他にもね」
「周泰さんや呂蒙さんですね」
「あの娘達も素晴らしい同志よ」
荀彧はさらに言う。
「劉備殿のところの軍師の娘達に蒲公英、それに鈴々も」
「実はこのお酒も」
董卓も飲みながら話す。
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