科学的研究による性教育
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第四章
「やっていかないとな、体育も科学だしな」
「昔の根性論じゃないのね」
「メンタルも大事だよ、けれどそのメンタルもな」
「科学なのね」
「そうした風に考えていかないとな」
どうしてもというのだ。
「それでやっていかないとな」
「駄目なのね」
「ああ、だからこうして本も読んでるんだよ」
「体育も科学で」
「性教育とか知識もだよ」
「科学なのね」
「そうなんだよ」
こう言ってだ、大輔は性のことを科学的に学んでいった、それは極めて冷静でかつ的確なものであり。
講義のテストも合格した、そしてそれからもだった。
学び続けた、それでまた妹に本を読んでいる時に言われた。
「性教育のことまだ勉強してるの」
「ああ、性のことを色々とな」
「いやらしい風に聞こえるけれど」
「だから言ってるだろ、増えて種が残るにはな」
「必要な知識なのね」
「それで発散させたりそうしたことを実際にする時にもな」
「知っておくことなのね」
妹も聞いて応えた。
「だから学んでるのね」
「いやらしいか、それが」
「そうはっきり言われるとね」
「食ったり飲んだり寝たりトイレに行くのと同じなんだ」
「生理的なことだから」
「だからな」
「知っておくことなのね」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「俺も恥ずかしいと思わないでな」
「お勉強としてなのね」
「本を読んでテストも受けてな」
そうしてというのだ。
「ネットでも調べてるよ」
「そこまでしてるの」
「そういうことだよ」
「学問としてのセックスね、何かそう言われたら」
小雪は微妙な顔になって述べた。
「本当にいやらしくないわね」
「そうだろ、ちなみに俺も好きだよ」
「そうしたことは」
「誰だってそうだろ」
「それで好きなのも当然なのね」
「ああ、じゃあもう少しここで読むな」
その性に関する本をというのだ。
「そうするな」
「そうするのね」
「そうするな」
「わかったわ、しかしこうしたことをいやらしく思わず頭に入れるのも」
「おかしいか」
「そう思うけれどね」
「おかしいと思うからおかしいんだよ」
妹にまたこう言うのだった。
「そういうものなんだよ」
「そうなのね」
「ああ、体育学から見ればそうなるんだよ」
「楽しいことであっても」
「そうした見方があることは頭に入れておけよ、俺も大学に入ってからわかったしな」
こう妹に言いその本を読んでいった、そうしてだった。
兄は体育学的な見解から性の知識を備え続けた、それが彼が卒業して高校の体育教師に就職した時に授業でも生徒との相談にも役立つことになるがそれはまた後の話である。性もまた科学であるということは彼の中では間違いのないことであった。
科学的研究による性教育 完
2021・11・14
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