レーヴァティン
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第二百四十四話 青森入りその二
「銭がかかる」
「買うにしても」
「木を倒して切るだけでもだ」
「斧や鋸が必要です」
「その銭がいる、軍はまさにだ」
「動かすだけでお金がかかります」
「どうせかかるならだ」
金、それがというのだ。
「出来る限りだ」
「少なくするべきで」
「だからな」
それ故にというのだ。
「陸よりもだ」
「水ですね」
「特に大軍を動かすとなるとな」
今の様にというのだ。
「その方がいい」
「左様ですね」
「薩摩からでもだ」
浮島の南西の端からというのだ。
「蝦夷にものを運ぶにしてもな」
「船ならです」
「まさにすぐだ」
「左様ですね」
「だからな」
「この度も船を大いに使ってな」
「人やものを運び」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「まずは青森の津軽城に人やものを集め」
「そのうえで」
「あの城を拠点としてだ」
「蝦夷を攻めますね」
「蝦夷の入り口を掌握し」
「そこを第二の拠点として」
「蝦夷攻めに入る、そして今からだ」
まさに今の時点でというのだ。
「蝦夷のアイヌ達に声をかける」
「幕府に入る様に」
「あの者達の土地を守り」
そしてというのだ。
「その暮らしを守ることをな」
「約束して」
「そのうえでな、無論約束はな」
それはというと。
「守る」
「そうしますね」
「約束を守ってこそだ」
まさにそうしてというのだ。
「人は信じてな」
「ついてきますね」
「支持もする」
「そして忠誠も誓いますね」
「そうだ、信じられない相手なぞだ」
英雄はさらに話した。
「誰もついて来ない」
「そうなりますね」
「だからだ」
「アイヌの諸部族ともですね」
「約束は守る、そして民としてだ」
幕府のというのだ。
「遇する」
「本土の民と同じですね」
「全くだ」
「左様ですね」
「山の民もそうしているしな」
彼等もというのだ。
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