恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百十七話 社、三姉妹と競うのことその二
「音楽は聴く方です」
「ああ、いいのか」
「はい。教会の音楽は好きですが」
この辺りは牧師としてである。
「ですが今はそうさせてもらいます」
「わかったぜ。じゃあ五人で行くな」
「見守らせて頂きます」
こう話してだった。彼等は船に乗りだ。劉備達連合軍の陣地に向かった。そうしてだ。
船の上からだ。楽器を使い演奏をはじめたのだった。それと共にだ。
クリスが歌い。バイスとマチュアがダンスをはじめる。すると。
急にだ。連合軍の兵達が浮き足立ってきた。
「な、何だ!?」
「あの船の連中オロチの奴等だよな」
「そいつ等が何をするんだ!?」
「歌ってるけれどよ」
「舞も舞ってるし」
「あれ何だ!?」
「あっちの世界の音楽か!?」
誰もが戸惑いを見せる。そしてだ。
出陣しようにもだ。彼等は。
急に動きを止める。それを見てだ。猛獲が驚きの声をあげた。
「大変だニャ!皆動かなくなったニャ!」
「これどういうことなの!?」
猛獲と共にいるチャムチャムも驚いている。
「何か皆急におかしくなって」
「アノ音楽ノセイ」
ここでタムタムが言う。
「おろちノ奴等ノ音楽ノセイ」
まさにそのせいだとだ。猛獲達に話す。
「コノママダト大変ナコトニナル」
「じゃあどうすればいいニャ!」
「このままだと大変なことになるけれど」
猛獲もチャムチャムも動かなくなった兵達を見ながらタムタムに問う。
「何か今度はお互いに睨み合いだしたニャ」
「喧嘩しそうだけれど」
「タムタム思ウ」
具体的にどうかとだ。タムタムは話した。
「音楽ニハ音楽」
「音楽ニャ!?」
「それしかないのね」
「タダシちゃむちゃむハ駄目」
自分の妹にはこう話す。
「歌下手ダカラ駄目」
「うう、僕歌いたかったのに」
チャムチャムは兄に言われ残念な顔になる。しかしだった。
何はともあれ対策は決まった。こうしてだった。
劉備達はすぐに集まりだ。誰を歌わせるか話した。
すぐにだ。袁術が名乗り出る。
「ここはわらわが行くのじゃ」
「そうですね。美羽様が出られるのなら」
「私も是非」
すぐに張勲と郭嘉も名乗り出る。
「偶像支配で対抗しますか?」
「私達三人で」
「いえ、ちょっと待って」
ここで言ったのは荀彧だった。見れば怪訝な顔になっている。
「今軍全体が浮き足立っているから」
「そちらですか」
郭嘉もすぐに察して返した。
「兵達の動揺を抑える為に」
「というか沈静化させないといけないから」
荀彧が言うのはこのことだった。
「だからね」
「ううむ。ではわらわ達はそちらに向かうか」
袁術も荀彧の話を聞いて素直に頷いた。
「このままでは同士討ちになってしまうしのう」
「それとなのです」
今度言ったのは陳宮だった。
「軍全体を抑えるにはもっと人手が必要なのです」
「それならニ喬もいるわね」
孫策がすぐに述べた。
「この娘達にも働いてもらいましょう」
「わかりました」
「それなら私達も」
こうしてだった。二人も歌うことになった。その他にもだった。
「とにかく軍全体が浮き足立っているのは問題よ」
「それなら私達も総動員ですね」
劉備は孫策の言葉に続いた。
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