| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

おぢばにおかえり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十九話 先輩達と会ってもその八

「もう思わず言ってしまいました」
「思わずじゃないでしょ」
「あの人達があの人のお友達で一緒にやったんですよね」
「そうらしいけれど」 
 私が聞く限りではです。
「特に佐野先輩がね」
「酷い振り方してですね」
「長池先輩と高井先輩が一緒に相手の人吊るし上げたみたいね」
「人を吊るし上げたら自分もですよ」
「新一君が吊り上げるっていうの!?」
「僕はそんなのしませんよ、あんな人達と違いますから」
「あんな人達!?その言い方自体がね」
 私には絶対に許せませんでした。
「駄目なのよ、それあの言い方こそ吊るし上げてるじゃない」
「吊るし上げてなくて事実を言っただけですよ」
「それで責めたっていうの」
「はい、過去は変えられないですから」 
 この子のいつもの考えでした、本当に過去から言って自分が嫌いな人の過失は絶対に許さない子だと思いました。
「ですから」
「言うのね」
「はい、そんなことしなかったらいいんですよ」
「最初からっていうの」
「後悔しても遅いじゃないですか」
「反省するでしょ、人は」
 私から見て高井先輩も佐野先輩も賛成しています、そして長池先輩も。
「そうでしょ」
「それはそうですけれどね」
「じゃあそこでいいとしないと」
 許さないとです。
「駄目でしょ」
「僕はそれが出来ないんですよね」
「そこをどうにかしなさいね」
 新一君に強い声で言いました。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧