恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百十六話 小次郎、仇を取るのことその六
「真田小次郎だ」
「だがもう仇は」
「言わないでくれ」
鷲塚の心遣いをだ。今はあえて振り払ってだった。
「私は新撰組零番隊隊長真田小次郎だ」
「あくまでそう言うのか」
「そうして生きていく」
決意をだ。彼女は言ったのだった。
「兄上に代わってだ」
「・・・・・・わかった」
鷲塚もだ。その決意を見てだ。こう応えたのだった。
「では御主の道を進むがいい」
「誠の道を歩んでいいのだな」
「御主には誠がある」
鷲塚にはわかっていた。彼女の誠が。
「ならばそうするのだ」
「済まない」
「礼はいい。後ろはそれがしに任せろ」
「うむ」
こうした話をしてだった。彼等はだ。
骸を斬ったことを孫策に告げにだ。天幕の中に入ったのである。
その頃だ。ナコルルの前にだ。刹那が来てだった。
いきなり剣を振るう。そうして言うのだった。
「死んでもらおう」
「貴方は」
「そうだ。死んでもらう」
こう言ってだった。さらに斬ろうとする。ナコルルはそれに対してだった。
己の小刀にママハハでだ。懸命に防ぐ。しかしだった。
刹那の斬撃は強い。ナコルルは次第に押されていっていた。
だがここでだ。リムルルが来てだ。姉の助太刀に入った。
「姉様、危ない!」
「!?リムルル」
咄嗟にだ。氷を放ってだ。刹那の攻撃を防いだのである。
そのうえで姉の横に来てだ。こう言うのだった。
「孫策様のところに刺客が来たわ」
「やはり。そうだったのね」
「けれどその刺客は小次郎さんが退けたから」
「そうか」
その話を聞いてだ。刹那は何とでもないという様に呟いた。
そうしてだ。こう言うだけだった。
「所詮は屍、果たせなかったか」
「何言っているのよ。死んだ人を甦らせてまた戦わせるなんて」
リムルルはその刹那に対して言い返す。
「とんでもないことなのよ」
「何ということはない」
しかしだった。刹那はこうリムルルに返すだけだった。
「所詮は捨て駒だ」
「そう言うのね」
「俺の目的は貴様等巫女全てをだ」
どうするかと言いながら。剣を構えてだ。
二人同時相手にしようとする。だがここで。
今度は弓矢が来た。ミナだった。
彼女は離れた場所から弓を構えてだ。刹那に言うのである。
「やらせない」
「三人目か」
「三人やないで」
もう一人いた。それは。
あかりだった。彼女もまた来ていたのだ。そうして刹那に言うのだった。
「やっぱりあの新撰組くずれは囮やったんやな」
「そういうことになる」
「そんでその囮にうち等が気を取られてるうちにかい」
「そうだ。貴様等を一人ずつ始末するつもりだった」
まさにそうだとだ。刹那は彼女達に答えた。
「だが。四人も一度に来るとはな」
「誰が四人て言うてん」
しかしだ。ここでだった。あかりは刹那に不敵に笑って告げた。
「そんなん言うとらんやろ」
「ではまさか」
「そや。出てきい」
あかりがこう言うとだった。彼女の左右にだ。
神楽、そして月、命が出て来た。これで七人だった。
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