私はいじわる 小悪魔が住みついた
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第六章
6-⑴
私達は、揃って同じ中学に進んだけれど、香菜ちゃん、鈴花とは違うクラスになってしまった。そして、昂君とも・・。
「真珠 離れてしまったね でも、親友のままだからね 同じクラブでガンバロー 野球」
「えぇー やっぱり 野球 でも、女の子のクラブ無いよ」
「うん みたいね だから、作るんだよ 野球部の顧問に交渉しょ」と、鈴花ちゃんは強引だった。
野球部の顧問は体育の先生がやっていて、もちろん、男子ばっかりなのだ。だけど、他のクラブとは違って先生も熱心に指導も行っていて、クラウンドにも出てきているのだ。
その日、練習しているところに、鈴花ちゃんに一緒に行こうと言われて、先生の側に行って
「先生 私達 野球 やりたいんです」と、鈴花ちゃんが言ったら、しばらく私達を眺めていて
「ああ マネージャー希望か?」と、
「違います プレー 選手として」
「あのなー 女の子には、危険だよ それに、やっても、女子は人数揃わなきゃ試合も出来ないんだぞー」
「だからー 女子部を作って 今、女子野球もあるじゃぁないですかー」
「あのなー それにしても、2人だけで試合するんか」
「うー そのうち集めます だから、最初は2人でも・・」
「君達の夢は良いけどな― クラブ活動は、職員会議の承認もいるんだぞ 女子のってなると教育委員会も・・それに、2人じゃ 話にならんだろー」
「先生は、私達の野球に対する情熱を無視するんですか 応援してくれないんですか?」と、私は言ってしまった。
「うぅー 君達は名前は?」
「織本真珠です 1年2組」「高松鈴花 1年3組です」
「そうか 織本さん、高松さん 僕も、いきなりだったんで びっくりしたんだよ だから、ちょっと考えさしてくれ 校長とも相談してみる 期待に応えられないかもしれないが・・ 一応、聞くがマネージャーじゃぁダメなんだな」
「絶対 ダメです」と、私達、声を揃えていた。そして、帰ろうとした時、鈴花の足元にボールが転がってきて、それを鈴花は・・拾って・・投げ返したのだ。真っ直ぐな速い球。
受け取った男の子が「オォー」と、近くの子にも「今の 見たか」と言って居た。
「鈴花 やるね ドラマのシーン見たい カッコ良かったよ」と、私達 手を繋いでいた。
そりから、数日後、私達は顧問の末永先生に職員室に呼ばれていた。
「キャプテンとも 相談したんだが、すごい球が返って来たってな 僕も、驚いたけど 彼は、一緒にやってみたいってさ とりあえず、今の野球部に所属ってことで良いか? 徐々に君達は仲間を増やす 僕は、君達の活動を見て、校長と女子部を創ることについては相談する ってことで良いか?」
私達は、顔を見合わせて、お互いに了解しているのが解ったので、同時に
「お願いします」と言って居た。又、揃ってしまった。
「君達は 息がぴったりなんだな」と、先生は笑っていた。
「君達の意気込みに応えなきゃあな 教師として・・ だけど、親御さんの了承をもらってきてくれよ 僕も、怪我なんかされて、恨まれるの嫌だからな」と、1枚の紙を渡された。
『練習中、試合中のプレーをする上での顔もしくは身体の怪我については、指導する立場として充分注意を払いますが、不測のことにつきましては、監督上の一方的な責任とせず、保護者双方で対処致します』というような内容だった。
「いやー 特に、女の子だからな 可愛い顔にでも、怪我されたら、大変だろー うっ これ セクハラになるのか? 今の無かったことにしてくれよな」
「大丈夫です ウチ等 そんなことあったら それっセクハラですと言って、ベシッって その場でやってしまって 訴えたりしませんから」と、鈴花ちゃんがと言うと
「おぉー それは、お前等 やりやすいなぁー 助かるよ」
「センセ ウチ お前って言われんの 一番 嫌い クラブの時は 真珠、鈴花って言って それに、お前等じゃぁなくて君等の方が 女の子には好印象だよ」と、私も遠慮なく言っていた。
「そっ そうか じゃぁ 真珠、鈴花 がんばろーぜ 女子部」
そして、私達 こぶしを上げて「オー」って言ったもんだから、職員室の先生もみんな見ていて、末永先生は焦ってしまって、私達の手を慌てて降ろしていた。この時から、私達は先生方の間で有名人になってしまった。そして、私は、鈴花ちゃんと、こんなに息ピッタリなんて思ってなかったのだ。
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