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レーヴァティン

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第二百四十三話 蝦夷攻めその十

「まさによ」
「そうもしてだな」
「攻撃するわ」
「国益も無視して」
「敵を排除するわ」
「公なぞどうでもいい」
 英雄は普段以上に冷めた声で言った。
「そういうことだな」
「そうよ」
 奈央も普段以上に冷たい声で答えた。
「要するにね」
「そこを見極めることだな」
 英雄は今度は鋭い声で述べた。
「俺達は」
「そう、上に立っているのならね」
「国益になる政策は何か」
「それを見極めてね」
 そうしてというのだ。
「政策を採ってね」
「実現させることだな」
「そして派閥があれば」
「出来る限りだな」
「なくすことよ、ただ議論も何もないと」
「それはそれでだな」
「間違いが指摘されなくなって」
 そうなってというのだ。
「政が上手く動かなくなるわ」
「誤った時に誤ったまま進むな」
「そうなるわ」
 まさにというのだ。
「だからよ」
「派閥もだな」
「ある程度はね」
「必要だな」
「政党だね」
 桜子が笑って言ってきた。
「要するに」
「それだな」
「そう、政党が複数あるとね」
「政策の議論も動くな」
「政党が一つだと」
 それならというのだ。
「本当に間違った時にね」
「そのまま進むな」
「それが一党独裁の怖いところだよ」
 桜子はこうも言った。
「間違えたらね」
「そのまま進んでしまう」
「間違ったままね」
「だから危ういな」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「だからよ」
「派閥も必要だな」
「それはそれでね」
「あくまで程度だな、派閥はどうしても生じる」
「人と人のね」
「それは避けられずな」
「そして派閥があることはね」
 それ自体はというのだ、このことを言うのだった。
「いいのよ」
「議論が起こってだな」
「そうよ、問題はそれが激しくなって」
「私利私欲に走ってな」
「党益にね、そして」
 そのうえでというのだ。 
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