ハッピークローバー
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第十六話 飲みながら賑やかにその十
「何といっても」
「そうだよね、二日酔いになっても」
「それでもね」
「次の日苦しむだけだから」
「お酒はまだね」
「それもお風呂に入って汗をかいたら」
そうしたらというのだ。
「すっきりするし」
「それでね」
「そう思うとね」
「お酒の方がずっといいわね」
「そんなに普通の気持ち忘れたいなら」
そう思うならというのだ。
「お酒の方が遥かにいいよ」
「まだね」
「あんなのするなんて馬鹿だよ」
「全く以てね」
「覚醒剤打たずにホームラン打とうっていうけれど」
ただ極めて愚かなことにこの広告に出ていたプロ野球選手はよりによって覚醒剤に手を出してしまった。
「その通りだよ」
「覚醒剤は絶対にするなよ」
「麻薬と呼ばれるものもね」
「そう、麻薬なんかやるより」
かな恵は先程以上に酔った顔で言ってきた、今手にあるのはレモンサワーだ。
「これよ、お酒よ」
「あんた本当に潰れないでよ」
一華は笑って言うかな恵に本気で言った。
「幾らお酒でもね」
「飲み過ぎ注意ね」
「今度二日酔いになったらね」
「どうするの?」
「全裸にして水風呂に叩き込むわよ」
「そうしてお酒抜くの」
「そうするわよ」
「それだったらお湯の方がよくない?」
かな恵は泥酔寸前の状態で反論した。
「むしろ」
「汗かくから?」
「そう、どうかしら」
「じゃあそうするわ、兎に角ね」
「飲み過ぎ注意ね」
「そうよ、あんた本当に今日はこれで止めなさい」
「あと一杯位よくない?」
「よくないから」
それでというのだ。
「飲まないでね」
「飲むならこれよ」
留奈も酔っている、だがかな恵より遥かにましな状態で言ってきた。
「お水ね」
「お水?」
「それ飲んだら後はね」
「お水なのね」
「それ飲んで、あと帰ったらね」
留奈はこの時のことも話した。
「シャワー浴びなさい、そうしたらね」
「お酒抜けるわね」
「シャワーも結構ね」
「だからなのね」
「身体も奇麗になるし。それで寝たら」
「翌朝二日酔いになってないわね」
「かな恵酔い潰れたら二日酔いになるから」
そうしたこともわかってきたのだ、いつも共にいるだけあって。
「だからね」
「それでなのね」
「すっきりして」
そうしてというのだ。
「寝て明日はね」
「また学校ね」
「そう、だから余計にね」
「お酒はこれで止めるのね」
「絶対にね、しかしいつもフォローしてくれるのに」
お母さん役としてそうするがというのだ。
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