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ハッピークローバー

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第十五話 夢があるからその七

「大きなお魚もね」
「いるかも知れないのね」
「そうかもね、まあ大きなお魚はいるから」
 達川は冷静な顔で述べた。
「それがUMAでもね」
「不思議じゃないわね」
「何でも恐竜じゃないけれど」
 それでもというのだ。
「UMAはね」
「いるのね」
「何でもかんでも否定しても」
 UMAと言われる生きものは実在しないとだ、事実世の中には何であろうと絶対に否定する人物も存在している。
「何にもならないよ」
「恐竜じゃないとかね」
「ネッシーだって恐竜説を否定してもね」
「他の生きものの可能性もあるわね」
「コブが幾つかあるって話があるから」 
 ネッシーの写真では一つだったり三つだったりするものがある。
「そのコブから水中の想像図を描いて海蛇みたいな生きものかもってね」
「言ってる人いるの」
「俺の先輩がそうなんだ」
「野球部の?」
「その人もネッシーいるって言っていて」
 それでというのだ。
「そうした絵も描いていたよ」
「ネッシーは海蛇ね」
「鰻とかじゃないかって言ってるよ」
 大型のそれだというのだ。
「南アフリカの海でそんな生きもの軍艦から発見されてるし」
「あっ、十九世紀中頃に」
「うん、イギリス海軍の船がね」
「ディーダラス号だったかしら」
 一華は船の名前を出した。
「確か」
「そうだったね」
「たまたま航海していたら」
 その南アフリカ沖をだ、喜望峰と言われる場所かその近くだったという。
「船の横をね」
「通ったらしいね」
「ああした生きものかも知れないのね」
「ネッシーもね」
 そうだというのだ。
「若しかしたら」
「そうなのね」
「だからその先輩もね」
「ネッシーは」
「いるって言ってるよ」
「そうなのね」
「目撃例は多いから」
 そして写真も多い。
「その全部が嘘とか見間違いとかね」
「それもないわね」
「勿論そうしたものもあるよ」
 UMAの話ではそうしたことも念頭に置かなくてはならない、だからこそ常に詳しい検証が必要なのである。
「けれど物凄く多いお話が」
「全部嘘とかね」
「見間違いっていうのもね」
「ないわね」
「それもないよ」
 こう言うのだった。
「やっぱりね」
「流石にそれはないわね」
「そしてUMAがこの世にいないと言ったら」 
 全て嘘や見間違いと言い切ればというのだ。
「何も見付からないよ」
「元々はUMA扱いの生きものもいるしね」
「パンダとかね」 
 中国を象徴する生きものの一つであるこの生きものもというのだ。 
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