レーヴァティン
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第二百四十一話 カレリアからその十四
「そこで燻製や干物も作ってな」
「バイキング達が食べる」
「そしてその作るのもな」
燻製や干物といった保存食をというのだ。
「仕事にするな、あと船や漁業の道具を造るのも」
「修理もですね」
「全部な」
まさにというのだ。
「産業にしてな」
「豊かにしていきますね」
「これからはそうする」
バイキング達についてもというのだ。
「北はな、そしてな」
「はい、これでこの浮島は統一されました」
源三はこのことを笑顔で述べた。
「北の島と緑の島もです」
「帝国が掌握したからな」
「そうなりました」
「それが出来たな、じゃあ浮島全体をな」
「治めますね」
「そうするな、そしてな」
「海の魔神のことを」
自分達の究極の敵であるこの存在のことをというのだ、久志達はこの存在のことをこれまで一瞬も忘れたことはなかった。
「調べますか」
「本格的にな」
「その時も来ましたね」
「この浮島を統一したんだ」
この目的を果たしたというのだ。
「だったらな」
「それならですね」
「ああ、これまで戦をしていてな」
「政と共に」
「余力がなかったけれどな」
戦に力を注いでだ、戦は国家にそこまで負担を強いるものということだ。
「これまでは」
「魔神について調べるまで」
「本格的にな」
「これまでもしていましたが」
「本腰を入れてなかった」
このことは事実だったというのだ。
「けれどな」
「いよいよですね」
「学者も総動員してな」
「文献を調べ」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「デルフォイからもだ」
「神託を聞きますね」
「ああ、そうしてな」
「魔神の正体をですね」
「突き止めていくな、そしてな」
「彼と戦いますね」
「やってやる」
久志の目は真剣なものだった。
「そして石にされて海に覆われている世界をだ」
「救いますね」
「奴を倒してな、じゃあな」
「これよりですね」
「調べていくな」
海の魔神をとだ、こう言ってだった。
久志はバイキング達を掌握しこの浮島を統一したことを喜ぶことなく次の行動に移った。彼等の究極の敵に向かうことに。
第二百四十一話 完
2022・1・8
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