イベリス
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第四十二話 完成その十
「飲んだ後には」
「だからね」
「それでなのね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「おかずとね」
「お茶漬けもなの」
「そちらも用意するわ」
「そうするのね」
「お父さん焼き鳥には焼酎だから」
この酒だというのだ。
「それをどんどん飲んでね」
「かなり酔ってるわね」
「そうなっているから」
だからだというのだ。
「それでね」
「お茶漬けね」
「そっちを出すわ、じゃあそういうことで」
「じゃあね」
「今から用意するわ」
「私は部屋に戻るわね」
先も決めた。
「そうするわね」
「わかったわ、それでよね」
「勉強するわ」
「そうしてね、あとね」
「あと?」
「もうすぐしたら六月でね」
母は今度は季節の話をした。
「衣替えね」
「そういえばそろそろね」
咲も言われて頷いた。
「そうした時期ね」
「そうでしょ、あとね」
母は娘にさらに言った。
「日焼け止めクリームもね」
「ああ、梅雨が終わったらね」
六月のそれがとだ、咲も応えた。
「もう夏だから」
「買っておくわね」
「お願いするわね」
「あと帽子もね」
日差しを避ける為にというのだ。
「こっちはどうするの?」
「そっちは自分で買うわ」
咲は母にあっさりと答えた。
「そうするわ」
「そうするの」
「ええ、麦わら帽子でもね」
この帽子をというのだ。
「買おうって思ってるの」
「そうなの」
「最近好きになってきたから」
麦わら帽子をというのだ。
「だからね」
「それでなのね」
「お店に行って」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「麦わら帽子買うのね」
「そうするわ」
こう母に話した。
「お姉ちゃんと一緒に買いに行こうかしら」
「愛ちゃんとなの」
「そうしようかしらってね」
その様にというのだ。
「考えているの」
「そうなのね」
「愛ちゃんと本当に仲いいわね」
「もうそれはどうかって言わないわよね」
「言わないわ」
即座にだ、母は咲に答えた。
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