ピラミッドは
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第二章
「一体」
「それは民達ですね」
「やはりそうなります」
「民達を働かせます」
「奴隷達もそうさせますが」
「しかし民達は仕事がある」
ファラオはこのことを指摘した。
「畑仕事がな」
「それを怠らせてはなりませぬな」
「それは確かに」
「畑を耕させなくては恵みは得られませぬ」
「決して」
「民達の畑仕事を邪魔させてはならぬ」
決してというのだ。
「それはな」
「それは我等も承知しています」
「決してです」
「その邪魔はしてはなりませぬ」
「何があろうとも」
「左様、ではどうするか」
『宮廷のおのれの玉座で述べた。
「一体」
「民達を働かせるにしても」
「畑仕事は邪魔させぬ」
「そのうえで築かせる」
「それをどうすべきか」
「それが問題であるな」
ファラオは廷臣達にこう言ってだった。
深く考えた、そして。
暫くしてだ、閃いた顔になり言った。
「畑仕事がない時にだ」
「その時ですか」
「その時に民達を働かせますか」
「その時に」
「うむ、あの時民達が仕事がなくな」
それでというのだ。
「餓えて暇で悪事も働くな」
「それをどうすべきか」
「国の深刻な悩みですが」
「それをですか」
「ここで解決しますか」
「その時にこそ民達に余の墓を築かせる」
その様にするというのだ。
「そしてじゃ」
「民達に仕事を与える」
「畑仕事のない時に」
「その時にですか」
「無論その時の家や飯は出す」
ファラオがというのだ。
「そして働かせる」
「そうすれば民達は餓えず」
「暇もないですな」
「それで悪事も働かぬ」
「非常によいですな」
「しかもな」
それにというのだ。
「墓を築かせる人手もな」
「手に入りますな」
「これだけいいものはありませぬな」
「それではですな」
「これより」
「墓は畑仕事がない時に築かせる」
その様にするというのだ。
「そしてじゃ」
「そうしてですな」
「そのうえで、ですな」
「民を救い墓も築かせる」
「また悪事も防ぎますか」
「家や飯を出すとかなりのものになる」
その出費はというのだ。
「しかし民が餓えず悪事も出ぬ」
「それを考えればですな」
「非常にいいですな」
「だからですな」
「これからはですな
「その様にしていく」
こう言ってだった。
ファラオは民達をそうさせた、畑仕事のない時に自分の墓を築かせた。するとその間民達は餓えず悪事を働かず。
それでだ、自分の墓もだった。
「築かれていっておるな」
「そうなっています」
「畑仕事のない間に」
「そうなっています」
「順調に」
「ではな」
ファラオは確かな声で述べた。
「これからもな」
「その様にしていきますな」
「民達を畑仕事のない時に働かせる」
「ファラオの墓を築かせますか」
「そうしていく」
こう答えた。
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