レーヴァティン
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第二百四十一話 カレリアからその五
「間違ってもな」
「してはなりませんね」
「何があっても」
「それは」
「ああ、人を殺しても重罪だが」
それも死罪にして魂を消すことも当然である様なだ。
「尚且つ食ったらな」
「もう許せませんね」
「何があろうとも」
「それを確信藩で行うならば」
「帝国としてもですね」
「一切容赦しないさ、流石にそうはないけれどな」
極めて稀である、だがこの世界でも人食い即ちカニバリズムの話があることは久志も聞いて知っているのだ。
「重罪の中の重罪としてな」
「許しませんね」
「そうした輩は」
「断じて」
「餓えてないのにな」
それでもというのだ。
「人を食う奴とかな」
「ないですね」
「餓えているならまだわかりますが」
「他に口にするものがないなら」
「この場合は色々考えるさ」
情状酌量の余地をというのだ。
「けれどな」
「それでもですね」
「人を生贄にし食うことは許しませんね」
「そして好んで殺して食うならば」
「尚更ですね」
「本当にごくごく稀にいるからな」
人を食う者はというのだ。
「だからな」
「そうした輩もいる」
「そのことを頭に入れてですね」
「そうした輩は極刑に処しますね」
「それも極刑の中の極刑に」
「そうするな」
こう周りに話した。
「そうした奴は」
「幸いまでいない様ですね」
「あくまでわかっている限りですが」
「その様ですね」
「見付ければな」
その時はというのだ。
「本当にな」
「はい、その時はですね」
「一切容赦せず」
「処罰して」
「魂も消しますね」
「そうするな」
絶対にというのだ。
「見付ければな」
「わかりました」
「その様にしましょう」
「事実食人も法で禁じていますし」
「殺人と同じく」
「流石にそこまではってな」
食人を法として禁じることはというのだ。
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