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船の守り猫

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第二章

「一緒にいるか」
「そうだな、俺達は船にいることが多いからな」
「一年の大半そうだな」
「ああ」
「だからな」
 それでというのだ。
「守り猫にいいだろ」
「そうだな、それじゃあな」
「母猫と他の子猫はな」
 彼等の話もした。
「それぞれ飼い主を見付けてやって」
「三毛の雄と時々会わせるか」
「そうしてな」
 そのうえでというのだ。
「これからもな」
「仲良くする様にさせてか」
「俺達はその猫をってことでな」
「それじゃあな」
 アルスランも頷いてだった。
 そのうえで実際にその三毛の雄猫を船に置くことにしてだった。
 母猫と兄弟達は飼い主を見付けてやった、飼い主はそれぞれ二人の会社の社員達で誰もが猫好きだった。
「母猫はハラーイブでだ」
「白猫はそれぞれハールーン、アリババ、アラジンでだ」
「娘はタハミーネだな」
 名前もそぞれ決まった、そして。
 三毛の雄、稀少な彼はだった。
「ロリポップな」
「その名前にするか」
「じゃあこれからはな」
「一緒だな」 
 こう二人で話してだった。
 アルスランとカーターはロリポップを船に置いた、そうしてトルコ各地の港と海を巡って仕事をしていったが。
 彼が来てからだった。
「いいことばかり起こるな」
「そうだな」 
 二人で仕事の中で話した。
「それもこれもな」
「ロリポップが来てからだな」
「猫は幸せを招くって言われていて」
「雄の三毛は特にそうだっていうが」
「それは本当だな」
「そうだな」
「じゃあこれからもな」
「ロリポップと一緒にいような」
 こう話してだった。
 そしてだ、イスタンブールに帰るとだった。
 彼を兄弟それに母親と会わせた、すると。
「ニャ~~」
「ウニャ~~」
「ミャア~~」
「ミャウ~~」
「ニャ~~ン」
「ウニャ~~ン」
 一家で仲良くした、二人はそんな彼等を見て話した。
「見ているだけで幸せになるな」
「ああ、そうだな」
「これだけで幸せになれるんだから」
「猫はいいよな」
「預言者ムハンマドが大切にしろって言う筈だ」
「全くだ」
 港で仲良くする彼等を見て笑顔で話した、それだけで彼等は幸せだと思った。そしてそれからもロリポップと一緒にいて彼の家族とも会うのだった。


船の守り猫   完


                 2022・2・25 
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