ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル
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第84話 究極に甘い食材はどれだ!オカルト研究部だけの初めての捕獲!前編
前書き
二剛力斬はワンピース劇場版13作目に出てきたダイス戦で二刀流でも使えていたので出しました。
聖書の神がいないという現実を知って深いショックを受けたゼノヴィアとイリナを元気づける為に食材を求めて美食王決定戦に参加したイッセー達、彼らは主催者であるボーノの家族である七色ネッシーのクリスを満足させる為に究極に甘い食材を探す事になった。
そしてイッセー、ココ、サニーがそれぞれが究極に甘い食材を主張し合う中、小猫達がイッセーの代わりにその食材たちを集めてくると言いイッセーは小猫達に任せることにした。
そして小猫達はそれぞれチームに分かれて究極に甘い食材を探しに向かったのだった。
「この海域のどこかにミルクジラがいるのね」
「情報通りだとそのようですね」
サニーから貰った情報を元にルフェイに転移魔法で送ってもらったリアス、祐斗、アーシアは広い海域を飛びながらミルクジラを探していた。アーシアは飛べないので祐斗にお姫様抱っこをされている。
「祐斗さん、重くは無いですか?」
「大丈夫だよ、アーシアさん。僕の方こそゴメンね、背中に背負った方が良いと思うんだけどそれだと羽根が動かしにくくてうまく飛べないんだ」
「全然気にしてませんよ。祐斗さんも気にしないでください」
「うふふ、後でイッセーに羨ましがられるかもしれないわね。祐斗」
「部長もからかわないでください……」
イッセーの恋人であるアーシアをお姫様抱っこしていることに祐斗は謝るがアーシアは気にしていないと話す。そんな祐斗をリアスがからかい祐斗は苦笑を浮かべた。
「あっ、あそこに何かいますよ」
アーシアが何かを見つけたらしくリアスと祐斗は彼女の指を刺した方角を見る。すると海の中から大きな白いまだら模様の入った鯨が現れた。
「あれじゃない、ミルクジラ」
「サニーさんが言っていた特徴にも一致していますね」
リアスはあのクジラが探していたミルクジラではないかと言いアーシアもサニーから貰った情報通りだと頷いた。
三人は恐る恐るミルクジラに近寄ってみる。だがミルクジラは逃げようとはしなかった。
「警戒はされていないみたいね」
「なら早速ミルクを頂いていこう」
リアスはミルクジラが自分達を警戒していないことに安堵し祐斗はミルクを貰おうとする。だがなにかミルクジラの様子がおかしかった。
「なんだか怯えているみたいだね?でも僕達じゃなくて海の中を見ているみたいだけど……!?ッ部長!何かが近づいてきます!」
祐斗はこちらに向かって接近してくる何者かを察知して声を荒げた。すると海の中から巨大な口を持ったウニのような生物が現れた。
「あれは確か『バクンウニ』?気性の荒い猛獣でこの海域に生息しているって聞いたわね」
リアス達は日頃からイッセーやルフェイにグルメ生物について学んでおり、この辺りの海域に出る猛獣の事も聞いていた。その中でも注意しろと言われていた猛獣がバクンウニだ。
「もしかしてバクンウニはミルクジラを狙っているの?」
「あっ、空からも何か来ますよ!」
リアスはバクンウニの狙いがミルクジラなのかと推測するが、空から高速で接近するもう一体の影を祐斗が捕らえた。
「エ、エビ!?」
それは空を飛ぶ大きなエビだった。
「『エビフライ』、空を高速で飛ぶエビですね。あいつも気性が荒いってイッセー君が言っていました」
祐斗はエビフライの生態を説明する。するとバクンウニとエビフライが争いを始めた。
「どうやらあの二匹はお互いを捕食しようと争っているみたいですね」
「それにミルクジラが巻き揉まれたって訳ね」
自然界において弱肉強食は当たり前のように行われるものなのでそれ自体はいいのだが、問題はそれにミルクジラが巻き込まれてしまっていることだ。
サニーの話ではミルクジラはかなり繊細な性格をしており少しのストレスでミルクを出さなくなるとリアス達は聞いた。あの二匹が暴れているせいでミルクジラはミルクを出さないのだろう。
「このままだとミルクが手に入らないわね。あの二匹には悪いけど討伐させてもらうしかないわ」
「なら部長はアーシアさんと一緒にここにいてください。あいつらは僕が……」
「駄目よ、私も戦うわ。その為に来たのだから」
「……分かりました。ならエビフライの方を頼みます。僕はバクンウニを相手にします」
「分かったわ」
祐斗は主であるリアスには戦いに参加してほしくなかったが却下されてしまった。ならせめてやりやすそうなエビフライの相手をリアスに任せて祐斗は海中を泳ぐバクンウニの方に向かった。
「魔剣よ!」
祐斗は水中でも不自由なく動ける効果を発揮する魔剣を生み出して海中に潜った。そしてバクンウニに斬りかかっていった。
「硬い!?」
だが祐斗の斬撃はバクンウニの硬い歯によって弾かれてしまった。攻撃を受けた事によってバクンウニは祐斗を敵と見なして襲い掛かってきた。
祐斗はバクンウニの噛みつきをかわしながら斬撃を放つが海中がテリトリーであるバクンウニは祐斗の攻撃を素早くかわして体当たりをしてきた。
「ぐはっ!?」
祐斗は衝撃を受けて吹き飛ばされた。直ぐに体勢を立て直し今度は飛ぶ斬撃を放つが簡単にかわされてしまう。
「ここは奴のテリトリーだ。直接斬らないと効果は無いか!」
飛ぶ斬撃ではバクンウニを捉えられないと悟った祐斗は接近戦を望むがバクンウニは素早い動きで祐斗を翻弄して攻撃をさせない。なんとか当てようとするもそれらは硬い歯に阻まれて効果は無かった。
「駄目だ、海中じゃあいつの方が動きが早い!かといって海上で戦ったらミルクジラにストレスを与えてしまうかもしれない……!」
祐斗の右腕をバクンウニの鋭い歯が霞めて血が流れる。祐斗はこのままでは自分がやられると悟った。
単純に考えれば効果の広い電撃や海ごと凍らせる魔剣を生み出せばいいのだが、ミルクジラにも影響を与えるし生態系にも悪い。そう考えるとその手は使えなかった。
「ならカウンターを狙うしかない……」
祐斗はそう言うと和道一文字をもう一刀出して二刀を構えた。
「僕は『速さ』の性質を持つ騎士の駒を持っている、だから力はない。今までは魔剣の種類の豊富さと速度を活かした戦いをしてきたけど、ここでその弱点を克服するんだ!」
祐斗は今まで長所を活かした戦い方をしてきたが、この先の戦いではそれらが通じない場合もあるだろう。
イッセーや小猫がいればパワーは問題ないが、絶対に皆と一緒に戦えるという保証はない。今回のように一人で相性の悪い敵を相手しなければならない時も来るはずだ。
(そもそも僕はバリーガモンという相性最悪の相手と既に戦っているんだ。今度は一人でも勝てるくらいにはなっていないとこの先やっていけないはずだ……)
祐斗はそう思うと両腕に力を籠める。騎士の駒では怪力は出せないが今の祐斗はグルメ細胞と適合している。以前食べたオゾン草によって祐斗の細胞は進化していた。
「一剛力羅……二剛力羅……」
祐斗がそう呟くと両腕の筋肉が膨張して膨れ上がった。そしてイッセーのような逞しい一撃をイメージしながら刀を振るう。
「『二剛力斬』!!」
祐斗の振るった二刀とバクンウニの歯がぶつかって衝撃が走る。だがバクンウニの歯に亀裂が入ると次の瞬間に歯ごと体を一閃されていた。
「はぁ……はぁ……何とか勝てたか。でもこのスタイルはやっぱり合っていないな」
力任せに振るった一撃はなんとか通用したが思った以上に疲れてしまったようだ。これからはもっと筋トレをしようと祐斗は思った。
バクンウニの体と共に海上に上がると、既にエビフライを倒していたリアスと合流した。
「部長、ご無事ですか!?」
「ええ、あまり強くなかったわよ。祐斗は?」
「僕はちょっと苦戦しましたけど何とか勝てました……アーシアさんは?」
「向こうでミルクジラの様子を見てもらっているわ」
二人はバクンウニとエビフライの死体を運びながらミルクジラの元に向かう。するとアーシアが歌を歌っていた。
「アーシアさん、その歌は?」
「ビンクスの酒と言う歌らしいんです。何でも昔この歌を歌った海賊が鯨と仲良くなるというおとぎ話があって……この世界では色んなおとぎ話があってそれぞれに歌があるらしいんです。私は聖歌を歌っていたので興味があって色々調べていたからこの歌も知っていたんです」
「それでミルクジラに試しに聞かせていたのね。効果はどうかしら?」
「どうやら気に入ってくれたらしくてリラックスしてくれました」
アーシアの説明を聞いたリアスは彼女が歌を聞かせていた理由を知り笑みを浮かべた。ミルクジラもリラックスした様子で嬉しそうに尾を動かしている。
するとミルクジラは勢いよく潮……ではなくミルクを噴き出した。どうやらバクンウニとエビフライがいなくなりアーシアの歌でストレスがなくなったようだ。
「キャー♡甘ーい♡まろやかで濃厚な味わい!今まで飲んだミルクなんて比じゃないくらい美味しいわ!」
「それでいて喉越しもさっぱりしていて後味も全然くどくない!何杯でもいけるね」
「でもいっぱい飲んだら虫歯になっちゃいそうです♡でも止められません♡」
リアス達はミルクジラの出したミルクを飲んでみたがあまりの美味しさに飲むことに夢中になっていた。
「でも程々にしておかないとね。じゃあミルクをたっぷり貰って帰りましょうか」
「はい、部長」
リアス達は入れ物にたっぷりのミルクを入れてミルクジラにさよならを言うとフロルの風を使って会場に戻ったのだった。
―――――――――
――――――
―――
朱乃、ギャスパー、黒歌はココが求める究極に甘い食材を求めてハニードラゴンの巣に向かっていた。
「まだ着かないのでしょうか?」
「もうちょっとで着くはずだにゃん」
少し疲れたのかギャスパーがそう言うと黒歌がもう少しだと励ました。
「でも黒歌さんって悪魔でもないのにどうして飛べるのですか?」
「風遁の応用で体から気流を出して浮かんでいるのにゃ」
「器用ですわね」
ギャスパーは黒歌がなぜ空を飛べるのかと聞くと黒歌は風遁を利用して浮かんでいるのだと話す。それを聞いた朱乃は黒歌の技術力に驚いていた。
「ねえねえ朱乃、それよりもイッセーとどこまで行ったの?やっぱりキス?それとも〇ッ〇〇までいった?」
「うふふ、心と体は重ね合わせた……とまで言いましょうか」
「あはは、それってもう答えを言ったようなものじゃん」
「黒歌さんもやはりイッセー君を狙っていますの?」
「うん。でも最初は交換日記からしたいんだよね。そこから手を繋いだりデートしたりして最高のムードの時にキスをして……にゃ~ん♡」
「あらあら……予想以上にピュアで自分が汚れて見えますわ……」
「うう……恥ずかしいよぅ……」
急に朱乃にイッセーとの関係を聞く黒歌だったが、朱乃は余裕をもって返した。だが続けて朱乃が黒歌にそういう事をしたいのかと聞くとかなりピュアな答えが返ってきてちょっとショックを受けていた。ギャスパーはそれを聞いて顔を赤くしていた。
「あっ、二人ともアレを見て」
「えっ……うわぁ、大きな蜂の巣ですぅ!」
「あの煌めく宝石のような液体が蜂蜜なのかしら。凄く綺麗ですわ」
黒歌の指を刺した方には巨大な蜂の巣がありそこには溢れんばかりの蜂蜜があった。だが直に何かが巣から大量に現れた。
「お、おっきなハチですぅ!?」
「アレがハニードラゴン?凄い数ですわね……」
「二人とも気を付けるにゃん、ハニードラゴンの毒針は当たったら人体なんて簡単にボロボロにしちゃうからね」
「ええっ!?」
「ほら、来るにゃん!」
黒歌はそういうとハニードラゴンの群れに突っ込んでいった。それに続いて朱乃とギャスパーも向かっていった。
ハニードラゴンの群れは三人に目掛けて毒針を放ってくる。三人は旋回しながら毒針をかわしていく。
「万雷!!」
朱乃は事前に用意していた雨雲を異空間から呼び出して広範囲に及ぶ落雷をハニードラゴンの群れに浴びせた。電圧を弱めているので死にはしないが痺れたハニードラゴンたちは海に落ちていった。
「風遁・カマイタチの術!」
黒歌は印を結ぶと広範囲に巨大な風の渦が生まれてハニードラゴン達を飲み込んでいった。本来はズタズタに切り刻んでしまうが、威力を抑え更に自分の氣を風に混ぜてハニードラゴン達の氣の流れを乱して飛べないようにしていく。
「ううぅ……二人とも凄いなぁ……」
近接戦闘しかできないギャスパーは神器でハニードラゴン達や放たれた毒針の動きを時間ごと止めてサポートしていた。
だが直に新たな増援が巣から現れて襲い掛かってくる。これではキリがない、そう思った朱乃再び万雷を放つが直ぐに増援が現れる。
「わわっ!?また増えちゃいましたぁ!?」
「これではこちらの魔力が先に尽きてしまいますわ!」
ハニードラゴン達は隊列を組みながら見事な連携で朱乃達を追い詰めていった。
「くっ、猛獣ながら見事な動きですわ。まるでコンピューターで操作しているかのような連携ですわね!」
「このままじゃやられちゃいますぅ!」
今は必至に回避しているがこの大群の攻撃が一回でも霞めたりしたら即アウトという過酷な状況が朱乃とギャスパーと精神を削っていく。
「おっと危ない」
そんな中ギャスパーに当たりそうになった毒針を黒歌が風の刃で弾いた。
「く、黒歌さんはもしかしてハニードラゴンに楽に勝てるんじゃないですか?」
「まあね。本気を出せば一気に無力化もできるよ」
「ならお願いします!そうじゃないと僕達勝てませんよぉ!」
「でもいいの?私に頼って蜂蜜をゲットしてもそれで貴方たちは誇れるの?」
「それは……」
ギャスパーはこの状況で余裕そうな黒歌にハニードラゴンを何とかしてほしいと頼むが、黒歌はそれで良いのかと説いた。
「ギャスパー君、弱音を吐いてはいけませんわ」
「朱乃先輩……」
「確かに黒歌さんに頼れば楽に蜂蜜はゲットできるでしょう。でもそんな風に他人に頼るようになってしまってはこの先イッセー君と歩むことなんて到底不可能になりますわ。そんな足手まといにわたくしはなりたくありません」
「……」
朱乃はギャスパーにそう言うとハニードラゴン達に雷の矢を放っていく。ギャスパーは真剣な表情になると朱乃の後を追う。
「僕だって……僕だって足手まといはごめんですぅ!」
ギャスパーは自らの両腕に噛みつき血を流す。そして懐に入れていた血の入った小瓶を取り出した。
「イッセー先輩の血……頂きます!」
万が一のときの為にイッセーが持たせてくれた自らの血が入った小瓶、ギャスパーはそれを一気に飲み干した。そして魔力が覚醒すると何とギャスパーの両腕から流れていた血が固まっていき深紅の鎧へと化した。
するとギャスパーのスタンドにも影響が現れる。腕に赤い血の鎧が装備されたのだ。
「やあぁぁぁぁぁ!!」
そしてハニードラゴン達に向かって飛んで行った。ハニードラゴン達は迎撃しようと毒針を放つが血の鎧によって強化されたスタンドには一切刺さらず叩き落されてしまった。
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁ!!」
そして高速のラッシュをハニードラゴン達に叩き込んでいった。一応殺さないように手加減はしているがそれでもかなりの数のハニードラゴン達が吹っ飛ばされていった。
「あはは、二人ともやるね。でもこのままだといずれは数の暴力でやられちゃうよ」
黒歌はそんな二人を見て歓喜の笑みを浮かべる、だが彼女の言う通りこのままでは数の暴力に押し負けてしまうだろう。
「相手をよく見る事にゃん。必ず癖や特徴があるはず、それを見極めるのよ」
黒歌は二人にそうアドバイスする。それを聞いた朱乃は攻撃を止めてハニードラゴン達の群れを観察する。
ハニードラゴン達は動きの止まった朱乃を襲おうとするがギャスパーの攻撃に阻まれてしまう。
「朱乃先輩!」
「ええ、そちらは任せましたわ!」
ギャスパーは朱乃の援護に回り朱乃は集中して群れを見続ける。
(……見つけましたわ!)
そして朱乃は群れの後方で何かおかしな動きをしている小型のハニードラゴンを見つけた。
「わたくしもいろいろ勉強していますの。群れで生活する猛獣の中には動きを指示する司令官タイプの存在がいる事もあると……あれがそうですわね」
朱乃は両手を円を作るように構えた。
(普通に攻撃しても間違いなく群れに邪魔をされる、ギャスパー君の目も群れに邪魔されてしまう)
指示をしているハニードラゴンは自分の存在がバレたと察したのか群れの動きを自分を守るように変えていた。あれでは遠距離攻撃も防がれてしまうしギャスパーの神器も群れに邪魔されてしまう。
(遠距離は駄目、でも普通に近づいては逃げられてしまう……なら相手が反応できないくらいの速度で接近するしかない)
朱乃は堕天使の力……光を集め始めた。
「以前のわたくしなら絶対にできなかったこの技もグルメ細胞と適合した今なら出来るはず……やってみせますわ!」
朱乃は円に構えた手から光を照射して指示をしているハニードラゴンの元に光を伸ばした。
「『八咫鏡』」
すると朱乃の体が光と一体化して次の瞬間には指示を出しているハニードラゴンの背後へと回っていた。
「放電!」
そして電撃を流して指示を出していたハニードラゴンを感電させた。指示系統を失ったハニードラゴン達はまるで力を失ったかのように海に落ちていく。
「や、やりましたわ……でもやはり結構なダメージを受けてしまいますわね」
朱乃が使った八咫鏡は自らを光と同化させて光速で移動する技だ。だが悪魔にとって弱点である光に同化するなど自殺行為でしかない。だがグルメ細胞と適合したことで朱乃は光に対してとても高い耐久力を得たことで使えるようになった。
もっともダメージは受けてしまうので改善が必要ではあるが、今は勝てた喜びの方が大事だろう。
「朱乃先輩!大丈夫ですか!?」
「ええ、大丈夫ですわ。ギャスパー君もありがとう」
朱乃はそう言うとギャスパーの頬にキスをした。それを受けたギャスパーは顔を真っ赤にしてしまった。
「二人とも、お疲れ様。蜂蜜は確保しておいたよ」
「黒歌さん、流石仕事が早いですわ」
黒歌は大きな壺にたっぷりの蜂蜜を入れてこちらにやってきた。
「こ、これがハニードラゴンの蜂蜜……凄く美味しそうですわ……」
「少し舐めてみる?それぐらいなら全然問題ないにゃ」
「いいんですか!じゃあ遠慮なく……」
朱乃とギャスパーは蜂蜜を分けてもらい食べてみた。
「んんっ♡凄く濃厚な甘みが一気に口の中に広がりましたわ!様々な花から集められた蜜が混ざり合って極上の甘露へと仕上がった至高の逸品……まさに蜂蜜の王ですわね!」
「美味しいですぅ!歯が溶けちゃいそうなくらい甘いのに全然くどくありません!また食べたくなっちゃいますぅ!」
「にゃはは、牙が命のドラゴンも我を忘れて食べ過ぎて虫歯になってしまうと言われているくらいにゃ。美味しいでしょ?」
『はい!美味しいです!』
朱乃とギャスパーは満面の笑みを浮かべてそう答えた。
「じゃあ帰ろっか、イッセーもきっと待ってるにゃん」
「そうですわね」
「はうう、凄い冒険でした」
朱乃達はハニードラゴン達に治癒の魔法をかけていくとまた襲われる前にフロルの風を使いこの場を後にした。
後書き
次回でこの話は終わって参観日に入ります。
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