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勝つ為にすること

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第二章

「これまでも私達それなりに強かったけれど」
「大会でも結構いいところに行けてたけれど」
「それがね」
「強豪になったわね」
「随分強くなったわね」
「コーチが試合の前に相手チームの長所や短所、攻略ポイントも教えてくれるし」 
 スミスは相手チームの調査も行っているのだ。
「そのお陰でね」
「相手とどう戦えばもわかってきたし」
「スミスコーチが来られてから変わったわね」
「そうね」
「まず個々のメニューでそれぞれがよくなる練習をして」
 そしてというのだ。
「ミーティングで長所と短所をお互いに話して」
「それぞれ改善して」
「戦術のこともわかってね」
「相手チームの攻略方法も把握する」
「そうしたらね」
「物凄く強くなったわね」
「そうよね」
「あれね、皆でただひたすら練習するんじゃなくて」
 根性論でそうするよりもというのだ。
「それぞれに合った練習してね」
「それで伸ばす点と改善する点を把握して」
「さらに努力して」
「戦術や相手チームの攻め方を考えていく」
「それがいいのね」
「ただ練習するよりもずっと」
「つまりバスケも頭ね」 
 部員達はこのことに気付いた。
「何も考えないで練習してればいいんじゃなくて」
「常に考える」
「そうしていくことね」
「そうすれば強くなる」
「そういうことね」
「じゃあこれからも」
「頭使ってバスケをすることね」
 部員達もわかった、そうしてだった。
 スミスのバスケ、頭を使ったそれを積極的に受け入れる様になった。そうしてどんどん強くなっていった。
 スミスはその彼等を見て顧問に話した。
「バスケも科学というのがです」
「コーチの考えなんだ」
「ですから」
 それ故にというのだ。
「こうしました」
「そうしたら強くなったね」
「はい、頭を使っていけばこれからもです」
「強くなるね」
「そうです、このままいっていいですか」
「うん、是非共ね」 
 顧問の先生も感銘を受けた顔で頷いた、そうしてだった。
 八条学園中等部女子バスケ部は兵庫県でも強豪として知られる様になった。それはどうしてかというと頭によってであった。このことは他ならぬ部員達が言うことだった。


勝つ為にすること   完


                  2022・2・19 
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