ドリトル先生とめでたい幽霊
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第五幕その一
第五幕 また擦れ違って
先生はこの日も大阪にフィールドワークに来ていました、一緒にいるのは動物の皆に王子です。王子の後ろにはいつも通り執事さんがいます。
先生は今は皆を住吉大社に案内しています、皆その神社の中を歩いていますが。
そのかなりの角度のアーチ形の木造の橋を渡りつつです、皆は言いました。
「ここも前に来たけれど」
「凄い橋だよね」
「凄い角度でね」
「短い橋だけれど」
「この急角度が凄いね」
「ここは太鼓橋っていうけれどね」
先生はにこにことして言いました。
「この形がね」
「特徴だよね」
「この橋のね」
「それでこうしてだね」
「この橋を渡ることもだね」
「住吉大社に来たら忘れたらいけないね」
「やっぱりね」
住吉大社に来たらというのです。
「必ずね」
「この橋を渡って」
「そしてだね」
「楽しむことだね」
「そうだね」
「そう、そしてね」
先生は皆にさらにお話しました。
「橋の下を見てもいいね」
「そうそう、お池があって」
「亀さんが一杯いるんだよね」
「ここはね」
「それもいいよね」
見れば実際にお池があってです。
そこに多くの亀達がいます、皆日向ぼっこをしたり泳いだりして実にくつろいで楽しく過ごしています。
その亀達も見てです、皆は言うのでした。
「神社ならではね」
「いい感じだよね」
「まさに日本の神様の場所よね」
「そう感じさせるわ」
「そうだね、大阪といえば」
まさにというのです。
「神社は石切神社と晴明神社にね」
「この住吉大社だよね」
「三つの神社が有名だね」
「この前生圀魂神社に行ったけれど」
「この神社もだね」
「大阪を代表する神社だよ」
そうだというのです。
「そして今ここに来た理由は」
「ただ観に来たんじゃないよね」
王子が聞いてきました、皆まだ橋の上にいます。
「織田作さんと縁があるね」
「そうだよ、この住吉区にも織田作さんのお家があったんだ」
「そうだったんだ」
「戦争中は空襲を避けて富田林市にいたこともあったけれど」
「この住吉にもなんだ」
「住んでいたことがあったんだ」
こう王子にお話しました。
「だから今からね」
「あの国にですね」
「行こうね」
「それじゃあね」
こうお話してでした。
先生は皆に次は織田作さんのお家に行くと言いました、そしてです。
実際にそこに行きますと。
別に何も変わったところはありません、只の住宅街で古いお家はありません。皆それはどうしてかすぐにわかりました。
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