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Fate/WizarDragonknight

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超合体怪獣

 
前書き
コヒメ「どこ……? ここ?」
コヒメ「ヤマタノオロチの中? 赤くて、ドロドロしてる……?」
コヒメ「体のノロが、少しずつオロチに奪われてる……」
コヒメ「? 誰?」
???「貴様……」
コヒメ「鎧の……人間?」
ツクヨミ「我が名はツクヨミ。貴様は、我が贄となった荒魂か」
コヒメ「……! 貴方は、何で暴れるの?」
ツクヨミ「理由などない……荒魂と、人間が関わる理由などない。古来のムーも、そして今も」
コヒメ「どうしてそう思うの? もしかして、怖いの?」
ツクヨミ「ふざけるな! ムーの奴らも、今の奴らも、我をただの荒魂しか見ていない! もとより、姉からも見放された身……! この乾きを、どう満たしてくれるというのだ……!」
コヒメ「わかるよ。それに、人間はわたしたちを殺せる相手。怖いよね……」
コヒメ「でもね、みんなむやみに斬ろうとしないよ?」
コヒメ「わたしみたいに、荒魂と人間は友達になれる! そうすれば、ツクヨミの乾きだってきっと満たせるよ!」
コヒメ「だから、暴れるのもやめよう! ツクヨミがやめれば、皆ツクヨミに剣を向けない!」
ツクヨミ「無理だ。我は……」
コヒメ「無理じゃない! 一度、ちゃんとお話ししよう?」
ツクヨミ「黙れ! 貴様はもう荒魂とは認めぬ! 我が一部になれ……!」
コヒメ「うっ……! 取り込まれる……! わたしじゃ、ダメ……!? みほのっ……!」 

 
「行ったか……」
「うん。行ったよ」

 地下、より深くへ進んでいったウィザードとブライ。彼らを見届けた龍騎と響は。ともに相槌を打つ。

「おいおい、響も! 真司も! 何分かりあった顔してんだよ!?」

 そんな彼らへ、超ゴッヴを切り払ったビーストが入ってくる。

「この中で、今回の事件の概要を全く掴めてねえのオレだけか?」
「俺も良く分かってないけど。人を助けるためだったら、何だってするだけだぜ」

 龍騎の手に収まる、赤と銀の青龍刀。
 そして、ビースト、響、友奈がそれぞれ構えると同時に、怪獣たちもまた戦いを開始した。

 先陣を切る、ゴルザとメルバ。
 二体の怪獣は互いに接近。やがて一つに重なり合い、超古代闇怪獣ゴルバーとなる。
 ゴルザの体、その頭部、背中部はメルバのものとなっているそれは、それぞれの剛腕と機動能力を一つにした姿であった。

「友奈ちゃん!」
「うん!」

 翼を使い、飛翔し接近してくるゴルバーへ、響と友奈はそれぞれの拳を突き放す。

「うおおおおおおおおおッ!」
「勇者は……根性おおおっ!」

 二人のサーヴァントは、それぞれの拳に力を込める。
 運動により強化された剛腕のゴルバーとせめぎ合い、やがてゴルバーが優勢になっていく。
 ゴルバーはそのまま二人を振り払い、その口からゴルザとメルバの特性、すなわち超音波と火球を放った。

「友奈ちゃん!」
「なせば大抵何とかなる!」
「合点!」

 響と友奈はともに相槌を打ち、バク転。地面を焼き払う攻撃を避けながら後退していく。
 だが、そんな二人へ接近戦を挑んでくる超ゴッヴ。
 甲高い唸り声を上げながら、その鎌状の腕で友奈を狙う。

「危ない!」

 だが、それをドラグセイバーが受け止める。

「お前の相手は、俺がしてやんぜ!」

 龍騎はそのままドラグセイバーを駆使して、超ゴッヴに斬撃のダメージを入れていく。

「真司さん! 肩を借りますッ!」
「おう! 行け、響ちゃん!」

 その許可とともに、響の足が龍騎の肩を蹴る。
 超ゴッヴの頭上より、響の体が躍り上がる。

『我流・撃槍烈波!』

 響の拳と、龍騎のドラグセイバーが、同時に超ゴッヴへ振り下ろされる。
 超ゴッヴの刃状の腕を破壊し、そのまま宇宙戦闘獣をゴルバーの前へと蹴り飛ばした。

『ストライクベント』
「はあああ……」

 さらに、龍騎はドラグクローを構える。
 ドラグレッダーがその周囲を旋回し、ドラグクローの動きと合わせて、その口から炎を放った。

「だああああああああ!」

 ドラグレッダーと、ドラグクローの口より放たれた火炎放射。それが混じり合い、昇竜突破(ドラグクローファイア)となってゴルバーと超ゴッヴを飲み込む。
 爆発により、見えなくなる二体。

「よっしゃ! やったぜ!」
「いや、まだだよ!」

 ガンQと組み合う友奈が叫ぶ。
 それが正しいと言わんばかりに、爆炎の中から唸り声が聞こえてきた。
 ゴルバーと超ゴッヴ。その二体は、爆炎の中でまた混じり合い、三体の融合態、トライキングとなっていた。
 ゴルザを中心に、頭部と背中にはメルバを、その胸元と足元には超ゴッヴのパーツが付けられる怪物。その頭部、および頭頂部と腰に付いた頭より怪光線が放たれる。

『3 ドルフィン セイバーストライク』

 だが、それは全て三体のイルカの幻影が盾となる。
 それは、レイキュバスの二体と戦っているビーストが放ったものだった。

「大丈夫か!?」
「サンキュー。助かった!」
「皆まで言うな!」

 ビーストはさらにダイスサーベルでレイキュバスを斬り伏せ、その場を飛び退く。

「響!」
「はい!」

 ビーストの声に、響が応じる。
 さらにビーストは、もう一度ダイスサーベルに内蔵されるスロットを回す。
 入れ替えた指輪を差し込み、止めた数字は。

『3 カメレオン セイバーストライク』
「我流・星流撃槍!」

 三体の小型カメレオンと、響の蹴り。
 それは、レイキュバスとガンQの体に的確にダメージを積み重ねていく。
 さらに追撃と言わんばかりに流星となった響の蹴りが飛んで行く。だが、それよりも先に来るのは、レイキュバスの炎、氷。そしてガンQの光弾。
 しかし。

「皆は! わたしがっ! 守る!」

 その前に割り込む、友奈。
 無数の花びらとともに放った拳が、二体の攻撃を打ち消す。

「イグナイトモジュール 抜剣!」

 さらに、その友奈の背後から黒いシンフォギアへと響が変身していく。

「我流・鳳凰双燕衝!」

 響の拳から発射された無数の流星群。それは、レイキュバスとガンQに命中。
 さらに、続く跳び蹴りが、二体を大きく吹き飛ばした。
 トライキングの前に転げていくレイキュバスとガンQ。

「コウスケさん!」
「皆まで言うな!」

 響の合図に、すでにビーストは動いている。
 バッファローマントをたなびかせながら、その指輪を手に持ったダイスサーベルのスロットに差し込んだ。

『5 バッファ セイバーストライク』

 ダイスサーベルに内蔵されたサイコロが指し示した目は五。
 ビーストがダイスサーベルを振ると、それに応じた数の猛牛の幻影が現れた。
 五体の牛たちは、トライキング、レイキュバス、そしてガンQへ猛烈突進していく。
 だが、怪獣たちも黙ってはいない。
 トライキングの盾になるように立ちはだかるレイキュバスとガンQ。彼らの背中に手を当てるトライキングは、その目を大きく発光させた。
 すでに、五体の猛牛たちは止まらない。
 やがて、三体の怪獣の姿は、牛たちの爆発により見えなくなった。

「やったか!?」
「それ言っちゃだめな奴ッ!」

 ビーストは、言った直後しまったと自らの口を覆う。
 そして、煙の中からは。

「ああ……やっぱり、五体全員合体するんだ」
「何となく察してたよね」

 レイキュバスとガンQの顔を腕から生やしたトライキング。
 それは、すでにその名前さえもさらに上の存在へと昇華させている。
 三体から五体。
 その名も、超合体怪獣ファイブキング。
 ファイブキングは、五体の怪獣の泣き声を同時に鳴らしながら、その翼を広げる。
 五体の顔それぞれより放たれた、それぞれの光線技。
 それは、四人の参加者に大きく爆発を見舞い、地面に転がさせる。

「強え……」

 龍騎はそう言いながら、カードデッキよりカードを取り出す。
 その間にも、ファイブキングの猛攻は止まらない。
 レイキュバスの牙が突き出た腕が、龍騎を狙って放たれる。

『アドベント』
「これで五体五だ!」

 龍騎のカードにより召喚されたのは、赤い龍。
 ドラグレッダーはそのまま、ファイブキングの体を突き飛ばし、その身を地面にひれ伏せさせる。

「今だ! 皆!」
「ああ!」
「はい!」
「うん!」

 龍騎の合図に、三人が応える。

『ファイナルベント』

 龍騎が切り札を切る。
 両手を前に突き出し、その周囲を回転するドラグレッダーへ捧げる龍の舞。
 腰を低くし、それに呼応してドラグレッダーもまた応じる。
 だが、それ以上に、ファイブキングの攻撃が激しい。
 またしても、両腕、頭、腰。五体の素材たる怪獣たちの顔から、それぞれの光線が放たれていく。
 だが。

『6 ファルコ セイバーストライク』

 ビーストの振るダイスサーベルより、六体のハヤブサが放たれる。
 それらは、ファイブキングの光線をその身で受け止め、また数体はその足元を攻撃していく。すると、ファイブキングは攻撃を中断し、体をくの字に曲げた。
 最後の一体。鳥の嘶きとともに向かうそれは、ファイブキングが突き出したガンQの体を爆発させる。

「今だ!」

 友奈は息巻いて、拳を引く。

「勇者アッパー!」

 桃色の拳で、ファイブキング、そのゴルザの面影がある顔面を殴り上げる。
 友奈の全力を宿した拳は、そのままファイブキングを大きく吹き飛ばす。
 宙へ浮かび上がったファイブキング。だが、まだ五体が合体した怪獣にはメルバ由来の飛行能力が残っている。
 だが。

「だあああああああああああッ!」

 そのさらに上を、ガングニールに戻った響が取る。

「我流・翔空降破!」

 頭上からの急速落下と、それに合わせた拳。それは、ファイブキングの翼に穴を穿ち、さらにレイキュバスの牙をへし折った。
 すぐさまファイブキングの口から放たれた高周波攻撃が響を地面に打ち落とす。
 だが、すでに響は、自らの役割は果たしたとばかりにほほ笑んでいた。
 すでにファイブキングの目の前では、龍騎が蹴りの体勢に入っていた。その背後にはドラグレッダーが、その大きな口より炎を放つ。それは龍騎の体を包み、その体を赤い、全てを撃ち抜く弾丸とする。

「だあああああああああああっ!」

 龍騎の雄たけびそれは、超ゴッヴの部位を中心に、ファイブキングの体全身を焼き尽くす。
 なまじ頑丈なだけあり、ファイブキングの体を貫通することなく、そのまま地面に押し落とす。
 地面に大きなクレーターを刻み、ファイブキングは止まる。

「はあ、はあ……」

 肩で呼吸しながら、龍騎はファイブキングの胸に押し当てた足を退ける。
 やがて静かに、龍騎はファイブキングへ背を向けた。
 龍騎の体が鏡のように割れ、真司の姿に戻るとともに、ファイブキングが立ち上がる。
 唸り声とともに、生身の真司へ襲い掛かろうとする。
 だが。
 すでに目から光が消えたファイブキングが、これ以上動ける道理などない。
 崩れ落ちるファイブキングは、真司の目の前で爆発。
 その存在を、完全にこの世界から消失させた。

「うわっ!」
「真司さん!」

 その爆炎により生身ながら吹き飛ばされる真司。
 だが、そんな彼を生身に戻った友奈が抑えた。

「大丈夫!?」
「ああ。ありがとう」

 真司は礼を言うと同じく、真司はウィザードたちが去っていった方向を見つめる。

「後は頼んだぜ。ハルト」 
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