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レーヴァティン

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第二百三十九話 北への集結その十一

「歯も磨けよ」
「そちらも忘れてはいけませんね」
「歯を磨くことも」
「虫歯になるので」
「歯槽膿漏もありますし」
「歯が悪いとそれだけで戦力が落ちるからな」
 このことを兵達にも言うのだった、久志は仲間内で話したことを決して忘れておらずここでしかと話したのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「しっかりと食って歯も磨く」
「そうしますね」
「そうだ、あと恋愛も娼婦もいいが」
 性欲の発散のことも話した。
「ゴムは使えよ」
「それも絶対ですね」
「忘れてはなりませんね」
「忘れると罰する」
「陛下はそう定められていますね」
「妊娠もあるが病気だ」
 特に性病を警戒してというのだ。
「ならないのが一番だろ」
「あの、俺淋病になったことがあります」
 二十代後半の下士官が手を挙げて言ってきた。
「実は」
「痛いらしいな」
「もう小便をする度にです」
 下士官は自分の経験から話した。
「滅茶苦茶痛くて」
「小便に膿が混じってるんだよな」
「というか膿がです」
 それがというのだ。
「小便になって出ます」
「それで出す時滅茶苦茶痛いんだな」
「もう泣きそうな位です」
 そこまでというのだ。
「痛くて」
「辛いか」
「すぐに病院に行って薬で治してもらいました」
「それはよかったな」
「街で安い女買って」
「ゴム使わなかったか」
「そうしたらでした」
 その結果というのだ。
「もうとんでもなく痛くて」
「辛かったか」
「あんな辛いものはないですよ」
 こう久志に話した。
「本当に」
「経験したらわかるか」
「あんなのなるものじゃないですよ」 
 半ば笑って半ば真顔での言葉だった。
「絶対に」
「そう思うならな」
「もうゴムはです」
 これはというのだ。
「絶対です」
「やっぱりそうだな」
「これを付けないと」
 さもないと、というのだ。 
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