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ハッピークローバー

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第十二話 合コンのはじまりその八

「そうしたものだから」
「それでなのね」
「秀吉さんはね」
「子供は授からなかったのね」
「子宝をね、そうかも知れないわよ」
「そうなのね」
「確かに色々引っ掛かるけれど」
 かな恵の話を聞けばだ。
「けれどね」
「そうしたものなの」
「そうじゃないかしら」
 こう言うのだった。
「実際はわからないけれど」
「というか」
 一華はこう言った。
「女好きイコール子沢山かっていうと」
「そうとも限らないわね」
「秀吉さんもそうだし」
「伊藤博文さんもでしょ」
「それで逆に女好きでなくても」
「子沢山の人もいるでしょ」
「そういえば大久保利通さん子供多かったらしいわね」
 一華は幕末から維新にかけて活躍したこの人物のことを思い出した、西郷の幼馴染みにして
無二の盟友であり軍師であった人物だ。
「あの人は女好きとは」
「思えないでしょ」
「あまりね」
「けれど子沢山だったらしいわね」
 かな恵もこのことは知っていた。
「それで実は子煩悩だったそうだし」
「あれで?」
「物凄く厳しいイメージがあるけれど」
 それが優しい西郷と好対照だったという。
「お家ではね」
「子煩悩だったの」
「最後は対峙したけれど最後まで西郷さんを案じていたそうだし」
 その死を聞いて号泣し暗殺されるその直前に馬車の中で西郷からの手紙を読んでいたという。そこまで二人の絆は強かったのだ。
「あれで情もね」
「あった人なのね」
「それで女好きのイメージなくても子沢山だから」 
 大久保のこのことは事実だというのだ。
「女好きイコール子沢山でもね」
「女好きじゃなくてもなのね」
「子沢山ってこともあるみたいよ」
「世の中は」
「それでやっぱりそうしたことをして」
「子供が出来て」
「人間は続いていってるのよ」 
 社会そして歴史がというのだ。
「やっぱりね」
「そういうことね」
「だから私達も何時かはね」
「そうしたことするのね」
「そうなるわね」
「それでも誰彼なしは嫌なのよね」
 富美子は眉を少しむっとさせて述べた。
「やっぱり」
「好きな人でないとね」
「浮気とか不倫とか駄目」
 富美子は今度は肩を竦めさせてかな恵に行った。
「相手や旦那さんがいて、それか相手や奥さんがいる人ともね」
「そうしたことはね」
「出来ないわ」
「それしたら絶対に後で大変なことになるよ」
「やっぱりそうよね」
「不倫して人生幸せになる人っていないよ」
 かな恵の今の目はいつも通りおっとりしている、だがそれでも言葉にはぴしゃりとしたものがあってその口調で語った。
「例えば奥さんいるのに他の人と駆け落ちする人がね」
「また別の人と駆け落ちしてもよね」
「不思議じゃないでしょ」
「全くね」
 その通りだとだ、富美子も答えた。 
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