ドリトル先生とめでたい幽霊
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第四幕その八
「だからね」
「その機会が来れば」
「その時はね」
「ちゃんと行こうね」
「一緒にね」
「うん、また機会があれば」
その時にとです、先生は答えました。
「日笠さんと大阪に行くよ」
「そうしてね」
「じゃあその時を待とう」
「バーバリーライオンのこともまた終わるし」
「それじゃあね」
「うん、そうしようね」
こう言ってでした。
皆は先生に日笠さんと一緒に行くことを強く思わせました、ですが先生は皆にまたこんなことを言いました。
「じゃあ皆ともね」
「そこでそう言うからね」
「全く、先生は駄目ね」
「僕達なんかどうでもいいのに」
「そうなのにね」
「僕達はいつも皆と一緒だからね」
それでと言う先生でした。
「それでだよ」
「そういう問題じゃないんだよね」
「本当にね」
「先生はわかっていないから」
「それも全く」
「これが困るんだよ」
「何もわかっていないから」
こう言う皆でした。
「本当にどうしたものか」
「もうちょっと日笠さん見たら?」
「そうしたら流石に先生でもわかるんじゃないかな」
「これからそうしてね」
「私達からも頼むわ」
「まあお話はそれ位にして」
ここでこれ以上お話してもと思ってです。
「またお茶飲もう」
「セットは全部食べたけれどお茶はまだ残ってるし」
「それを飲もう」
「そうしよう」
こうお話してでした。
皆で研究室でまたお茶を飲みました、そうしながら先生は織田作さんについて書かれた本も読んでいきました。
そしてお家に帰って先生ご自身から日笠さんとのお話を聞きまして。
トミーは苦笑いになって先生に言いました。
「それはよくないですね」
「トミーもそう言うんだ」
「はい、バーバリーライオンがどうかよりも」
それよりもというのです。
「日笠さんと大阪に行って下さい」
「一緒にだね」
「それは絶対にです」
こう先生に強く言うのでした。
「そうして下さいね」
「それではね」
「それとです」
トミーはさらに言いました。
「今から晩ご飯を出しますね」
「お願いするね」
「今夜はカツカレーです」
「カツカレーって他の国にはないんだよね」
ここでジップが言ってきました。
「実は」
「カレーは今はどの国にもあるけれど」
トートーも言います。
「カレーライスみたいなもの自体がなくて」
「ああした洋食がね」
「日本独特のものでね」
オシツオサレツも二つの頭で言います。
「カツレツもカレーもね」
「実は日本のお料理なんだよね」
「元はフランスとかイギリスから入っていても」
ガブガブは右の羽根を上げて言いました。
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