ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~
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第63話
前書き
アルティメットは合体後も出来ればとんでもなく強くなりそう。
その気になれば怒りフルパワーにもなれたけど究極神の方がこの場合は強かった。
未来のピラフとシュウは多分人造人間に殺されたか餓死したかのどちらかでしょうかね?
ブラックに殺されたにしてはマイが強かったし。
ブラックを倒した未来トランクス達は、ブラックから取り戻した仙豆を最もダメージが大きいベジータに渡すと一度報告のために過去の世界に戻ることにした。
過去の世界に戻るとビルスからの拳骨を喰らって正座をさせられている界王神の姿があった。
「ビルス様、ザマスとブラックの討伐は無事…とは言えないけど完了したよ」
「うむ、ご苦労だった。封印したザマスのことも含めて話を聞かせろ」
「分かったよ」
ザマスとブラックを倒して一応未来を救ったことを祝ってパーティーをすることになったのだ。
未来トランクスの隣には未来マイが、こっちのトランクスの隣には悟林が立っており、マイはそんな2人を不思議そうに見つめていた。
「どうしたのマイちゃん?」
悟天が肉を頬張りながらマイに尋ねてきた。
「へ!?あ、いや、あの2人は仲が良いんだなーって」
「うん、未来のトランクス君と未来のマイちゃんは幼なじみなんだって」
「幼なじみ!?」
未来マイが過去に来た時に色々聞いたが、若返りの時期が自分達が若返った時よりも10年以上前であり、その際に未来ブルマに保護されたらしい。
ピラフとシュウは人造人間のせいで死んでしまったようだが。
「うん、赤ちゃんの頃からの付き合いなんだって」
「へえ…」
こっちと向こうの違いにマイは4人を見比べる。
未来のピラフ一味が最後のドラゴンボールを使ったことで未来の世界が荒廃する原因となってしまったので、あまりにシリアスな世界にこちらのピラフ一味がついていけなくなってしまった。
「美味しい!」
「だろ?パン、それも食べてみなよ」
未来パンもブラックとザマスがいなくなったことでようやく落ち着いたのか未来悟飯に促されながら美味しそうに料理を頬張っていた。
ピッコロと悟飯も同席し、ようやく笑顔を取り戻した未来パンに微笑んでいた。
「ビーデルさん、これをどうぞ」
未来ビーデルはあまり食べていなかったこともあり、サラダや果物と言った消化に良い物を渡す。
「ありがとうこっちの悟飯」
「え!?ど、どうも…」
別の未来とは言えビーデルに呼び捨てにされたことに思わずドキリとなる初な悟飯であった。
「ねえねえ、お父さん。兄ちゃん蛸みたいに顔真っ赤だよ!」
「そうだなぁ、若いって良いよなー」
「悟飯ももっと未来の悟飯みてえに男らしく出来れば良いのに…ビーデルさんも可哀想だべ…」
「まあまあ、未来の悟飯みたいに男らしくなんて無理無理。うちの悟飯ちゃんは一生ビーデルさんに対してヘタレだよヘタレ」
「悟天!父さん!母さん!姉さん!!」
言いたい放題の身内に悟飯が叫び、全員が笑ってしまった。
「ところで未来のトランクス達はどうすんだ?あっちの世界のドラゴンボールはブラック達に壊されちまっただろ?」
最大の問題は未来の世界にはドラゴンボールがないことだ。
地球は勿論、超ドラゴンボールも駄目、もしかしたら未来のナメック星のドラゴンボールも破壊されている可能性がある。
「だったらこっちの超ドラゴンボールで復活させてもらいましょ!何でも願いが叶うなら並行世界にも効果があるはずよ」
「そ、そうか!ママ頭良い!」
「み、みんなが生き返るんですか!?」
「母さんやお祖父さんが…」
「駄目だ!!」
この場にいる全員が希望を持ち始めていた時、ビルスが反対した。
「え?ビルス様?どうしてだよ?」
「超ドラゴンボールを並行世界のために使うのは僕が許さん」
「な、何でよ!?別に悪いことに使う訳じゃないんだし…」
「超ドラゴンボールは第7宇宙と第6宇宙にある物だ。第6宇宙のドラゴンボールを回収するには当然向こうの連中の許可をもらう必要がある。もし、並行世界のこいつらのことを向こうの連中に知られてみろ。全王様に報せられて消滅させられるかもしれんぞ」
「そ、そんな…でも…」
「良いか!良く聞け、これはな…この宇宙のことだけじゃない。お前達がやっとの思いで救った並行世界の未来のことも考えて言ってるんだ。今は無人でもその星に生き残った生物が進化し、新たな人間となる…人間からすれば気が遠くなるほどの時間がかかるがな…だが、消されてしまったらその可能性すら潰えてしまうぞ…!」
ビルスもビルスなりに未来の世界のことを考えてのことだったようで、誰もが沈黙する。
「あっ!ねえ、ブルマさん!タイムマシンの燃料のチャージお願い!」
「え?」
「必要なの、お願い」
「あれ?でも未来の世界にはもう行けねえんじゃねえのか?」
「次元転送装置の周波数を変えれば並行世界にもジャンプ出来るようです。新しいパラレルキャパシターを上手くバイパス出来ましたのでどの未来にも行けるようになりました。」
ピラフの説明によって何度でも移動出来るようになったことを知った一同は喜ぶ。
「みんな!手伝って!超ドラゴンボールが駄目ならこっちのドラゴンボールだよ!」
超ドラゴンボールに比べれば性能は大きく劣るものの、こっちのドラゴンボールでもある程度の復活は出来るはずだ。
「え!?でも未来の世界の神様はデンデじゃないんじゃ…」
「その辺は大丈夫だよ、神様を連れていけば良いんだし。平気平気」
「お、お前と言う奴は…」
デンデの了承も取らずに連れていこうとしている悟林にピッコロは頭を痛める。
「と、とにかく!こっちのドラゴンボールを集めれば良いんですね?」
「そうだよトランクスさん」
「…デンデには俺が伝えてくる…」
ピッコロがデンデに説明しに向かい、残った面子はドラゴンレーダーに映ったドラゴンボールの回収に向かった。
そして翌日、集めたドラゴンボールと神龍の模型を持ったデンデが連れていかれ、未来の世界に移動した。
デンデの存在のおかげで未来の世界でもこっちのドラゴンボールは健在であった。
「出でよ神龍!!」
悟空の合図によって空が暗くなり、神龍が現れた。
「さあ、願いを言え。どんな願いも叶えてやろう」
「…未来の世界にまですまねえ神龍。でもこれだけは神龍じゃねえと出来ねえんだ。まず、ブラックとザマスに滅茶苦茶にされた物を全て元に戻してくれ!!」
「…分かった。だが、少し待て…時間がかかる。」
恐らく、このドラゴンボールでは全ての物を元通りにするのは不可能だろう。
しかし、出来る限りのことはしてやりたい。
そして地球の街が元通りになり、未来悟飯達が喜んだ。
「そしてこれが最後の願いだ。ブラックがこの世界に現れてから殺されちまった人達をうんとわりい奴らを除いて生き返らせてやってくれ」
「その願い、叶えてやろう。だが、私の力の範囲内でだ」
「分かってる…」
完全な復活は出来ないが、それでもこのままよりはずっと良い。
神龍の力によって生き返り始めた人々が現れ始める。
「トランクスーーーっ!!悟飯君ーーーっ!!」
「母さん!」
「「ブルマさん!」」
振り返ると未来ブルマが駆け寄ってきた。
どうやら最近殺された者達が優先されて生き返らせてもらっているようだ。
「やったのねあんた達!」
「はい、勝ちましたよ母さん!父さん達が力を貸してくれたおかげで…」
「…ベジータ…」
「こっちのドラゴンボールで生き返ったようだな」
「ええ、あんた全然変わらないのね。会った時と全然変わらないじゃない。」
「我々サイヤ人は戦闘民族だ。だから闘うために若い時代が長いんだ。基本的にサイヤ人は80になるまで若い」
「何よそれ!化け物じゃない!!」
地球人とは比べ物にならない老化現象に未来ブルマが叫ぶ。
「…ブルマ、良くやった。お前のタイムマシンのおかげで最悪の事態は免れた。流石はこの俺の妻だ」
背中を向けながら言ったベジータの言葉に未来ブルマは驚いた後に涙ぐむ。
「っ…な、何似合わないこと言ってんのよーっ!あんたはあんたらしく昔みたいにふんぞり返ってなさいよーっ!!」
そんな未来ブルマの姿に未来トランクスと未来マイは微笑んだ。
今までの未来ブルマの苦労がやっと報われた気がしたからだ。
「…それでも完全じゃないんですよね…」
「そうだな、地球から離れ過ぎてる星の人達はどうなってるのか分かんねえ…」
未来悟飯の呟きに悟空が答える。
一応地球から遠く離れていたナメック星のナメック星人達が生き返ったので生き返った可能性はなくはない。
しかし、それがどこまでなのか悟空達には分からない。
「でも、これからは悟飯達が未来を掴み取らなきゃいけないよ。この宇宙には界王神様もビルス様もいないんだから」
「分かってるよ」
「願いは可能な限り叶えてやった。さらばだ!」
「みんな!」
悟林の合図に悟空、ベジータ、未来悟飯、未来トランクス、悟天、トランクスが同時に飛び上がると散らばる寸前のドラゴンボールを回収し、一度悟空達は過去に戻る。
地球のドラゴンボールで未来の並行世界のために使うと言うことをやらかした悟林達にビルスは頭を痛めていたが、もうやったことだから仕方ないと割り切ることにしたようだ。
「全く、宇宙のルールを滅茶苦茶にしやがって…だが、やってしまったことは仕方ない。今回だけ見逃してやる…おい、ブルマ!この家の美味い物を持ってこーい!!」
「はいはい!ありがとねビルス様!!」
お菓子やらカップ麺やら持ってくるように指示を飛ばすと、未来悟飯と未来トランクスの方を振り返る。
「おい、悟空の息子とベジータの息子。お前達は明日、戻るのか」
「はい、そうするつもりです」
「少し休んでから未来に帰ろうと思います。」
「この世界に全王様にバレない程度になら顔を出しても構わん。これ以上並行世界を作り出さないように非常時以外目立つ行動を控えてもらうのが条件だがな」
「ビルス様…!」
「い、良いんですか…!?」
「超サイヤ人ゴッドの件と地球の美味しい物、そして神の恥晒しを始末した褒美だ。本来ならザマスは第10宇宙の神共が始末するべきことだ。それを僕達にやらせたんだからな。これくらいは構わないだろうさ」
未来トランクスが悟空に心臓病の特効薬を渡さなければ自分は超サイヤ人ゴッドと闘えなかったし、地球の美味な食べ物も食べられなかった。
そして他宇宙の問題児を代わりに倒してくれたのだからビルスもそれなりの温情を与えた。
「そうですねえ、ビルス様も並行世界を1つ増やしちゃいましたしね」
「一言余計なんだよお前は…!まあとにかくだ!…達者でな、悟飯、トランクス」
「「はい!!」」
ザマスとブラックを倒したことでビルスが認めたのか未来悟飯と未来トランクスの名前を別れ際に言う。
ウイスと共に自分の星に帰っていった。
「「ビルス様、ありがとうございました!」」
ビルスの温情に礼を言う未来悟飯と未来トランクス。
ドラゴンボールを未来の世界に持っていってしまったので、未来の彼らが帰れるのは明日の今頃になる。
今日くらいはゆっくり休んでも罰は当たらないと思っていたのだが、未来悟飯が悟林に歩み寄る。
「姉さん、今日の夜。俺と闘ってくれないか?」
「え?私に?」
「ああ、俺の力を極めるには俺と同じ力を使う姉さんが一番の相手だしね」
「勿論、可愛い弟のために私も手を貸してあげる。」
「ちょ、ちょっとあんた達…少しくらいゆっくりしてもいいんじゃないの?」
「いいえ、俺が姉さんと闘いたいんです」
ブルマが今日くらいは修行なんて止めろと言うが、未来悟飯は首を横に振る。
「はあー、あんたもやっぱりサイヤ人なのね。こっちの悟飯君とは大違いだわ」
「こっちの悟飯と比べるのは未来の悟飯に失礼だよブルマさん」
「どういう意味だよ姉さん!!」
「言った通りの意味だよ。精々男らしくなれるよう努力するんだね」
楽しい夕食を終えると悟林と未来悟飯はある場所に向かった。
それは2人にとっての思い出の修行場であった。
因みに未来の世界の第10宇宙が消滅した。
後書き
次回、さらば未来組。
因みに悟空達も観戦してます。
未来の第10宇宙はザマスがやらかしたことで消滅しました。
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