八条学園騒動記
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第六百四十九話 大団円となりその四
「人類の歴史上最悪のね」
「悪人ですね」
「そうなっているよ」
「虐殺や暗殺はしていませんが」
「それでもね」
このことは事実だがというのだ。
「連合ではそうだよ」
「あの人は人類史上最悪の悪人ですか」
「極悪人だよ」
菅はまたこう言った。
「まさにね」
「そうなのですね」
「そこは変わらないよ」
連合ではだ。
「今のエウロパを築き上げたね」
「千年前にそうした」
「そう、あの邪悪な国を創り上げた」
そうしたというのだ。
「極悪人だよ」
「そうそう、ブラウベルグは悪い奴よ」
七海も言ってきた、言いつつ紅茶を飲んでいる。ミルクティーでありその甘さは相当なものである。
「あんな悪い奴いないわ」
「そうだよね」
「もうありとあらゆる悪事を働いた」
「とんでもない悪人だよね」
「貴族でね」
「そうそう」
菅は七海の貴族という言葉に頷いた。
「貴族制度、階級社会を復活させた」
「差別主義の権化でね」
「あんな極悪人はね」
「他にはいないわ」
「その連合の見方もです」
セーラはここでまた言った。
「やはりです」
「主観なんだ」
「それになるんだ」
「はい」
そうだというのだ。
「人は人であるならです」
「主観を持ってるんだね」
「はい」
こう菅に答えた。
「そうなのです」
「そしてその主観は大きいんだね」
「とても大きな力です」
実際にというのだ。
「そうなのです」
「そうなんだね」
「はい、我思う時に我ありですし」
「デカルトよね」
七海はその言葉を聞いてすぐに誰の言葉か察した。
「確か」
「はい、まさにそれもです」
「主観なのね」
「まず自分が思う」
このことがというのだ。
「人間のはじまりとも言えます」
「そうなのね」
「自分で思わないと」
その場合はというと。
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