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レーヴァティン

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第二百三十九話 北への集結その五

「そうしてな」
「バイキングの活動をしない様にするわね」
「豊かになればな」
 そうなればというのだ。
「それでな」
「略奪をしないわ」
「略奪をするにもな」
 これもというのだ。
「される方は迷惑でな」
「する方も命賭けよ」
「そうだからな」
「それをしなくても生きられるなら」
「しないよな」
「軍も何故略奪があるか」
 清音はこちらの話もした。
「そうしないと生きていけないからよ」
「食いものを奪わないとな」
「そうでないと生きていけないから」
 それでというのだ。
「略奪をするのよ」
「餓えた軍隊ってそうだよな」
「それで報酬もないから」 
 清音はこのことも話した。
「だからよ」
「略奪してな」
「報酬にしているのよ」
「そうだよな」
「だから略奪を防ぐにも」
「ちゃんと食わしてな」
「報酬を支払えばね」
 それでというのだ。
「そうしたことはしなくなるわ」
「そうなんだよな」
「賊だって生活出来ないからなるしね」
 双葉はそういった者達の話もした、事実豊かになっている帝国では山賊や湖賊、追剥という者達は極端に減った。
「大抵は」
「生活出来たらな」
「もうそれでね」
「かなり減るよな」
「そうでしょ」
「水滸伝だってそうだしな」 
 久志は中国のこの小説のことを思い出して話した。
「あの話山賊多いけれどな」
「他ならぬ梁山泊だってそうだしね」
「あの作品では悪政敷いててな」
「実際あの頃の宋は酷かったわ」
 徽宗がそもそも政治家向きではなかった、この皇帝は名画を残している程の芸術家であってそちらの才能はなかったのだ。
「だから叛乱も頻発していたわ」
「実際にな」
「それがあの作品にも書かれていて」
「ああしてあちこちに賊がいたな」
「そうだったのよ」
「まあその連中が大抵好漢でな」
 そうした者達でだ。
「梁山泊に入るな」
「物語の前半はそうね」
「そうなったのはな」
「その背景としてね」
「宋の悪政があってな」
「暮らしていけない人達がいたのよ」
「そうだよな、だからな」 
 久志はここまで聞いてあらためて言った。
「ちゃんとした政を行うとな」
「賊もいなくなるわ」
「それで治安もよくなるな」
「そうよ、民も暮らせて豊かになるなら」
 それならというのだ。 
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