| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

俺、ツインテールになります。外伝~追憶のテイルチェイサー~

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
< 前ページ 目次
 

プロローグ

 
前書き
一生で一番多くの2が並ぶ今日こそは、絶好の投稿日和!!

といえわけで、長らく再投稿出来ていなかった追憶をupです。 

 
 これは、私が全てを失った日への追憶。

 大切なものを守れなかった。

 大切な人を失った。

 世界は灰色に染まり、人々は色彩を失った。

 それでも、それは単なる終わりの日ではありません。

 全てが始まった日でもあったのです。

 だから私は、この日を心に刻み続けます。

 あなたとの、銀色に輝く思い出の日々は、私にとって永遠の宝物なのですから。



「フッ、確かに噂通りの強さだったな」

 町外れの空き地の中。全身の関節部以外を鎧に包んだ、黄金の竜のような怪人が呟く。

 見下ろす先に倒れているのは、露出度高めの青い鎧に身を包んだ、銀髪で髪を標準的な形のツインテールにした少女の姿。

 そう、怪人は種族名をエレメリアン。名をラードーンギルディという。

 無数の平行世界を渡り、人間達の心の力、属性力(エレメーラ)を奪う事で世界を侵略する組織、「アルティメギル」の尖兵である。

「しかし、これで終わりだ!!」

 両手剣を振りかざし、トドメを刺そうとするラードーンギルディ。

「フッ……」
「む!?な、なんだその不敵な笑みは?」

 追い込まれたこの状況で、少女は笑っていた。
 まるで、ラードーンギルディを嘲笑うかのように。

「確かに、あなたは今まで戦ってきたエレメリアンに比べて骨がありますね……正直、ここまで追い込まれたのは初めてです」

 少女は地面に転がっていた、弓と双刃を一つにした様な武器を持ち直す。

 まるで、まだいけるとアピールし、挑発するように。

「まだ戦えると?良いだろう!ならば次の一撃で終わらせてやる!!」
「ええ、終わりますとも。……ただし、終わるのはあなたの方ですけどねっ!!」

 少女はラードーンギルディに、何かテニスボールのようなものを投げつけた。
 投げつけられたそれは、金色に光り輝くラードーンギルディの顔に、ベチャッと音を立てて付着した。

「ぬおおおおお!?私の美しい体に泥が!!」
「今です!完全開放(ブレイクレリーズ)!!」

 刃の部分にエネルギーが集まり、光り輝く。

「フィールスパイラル!!」

 両手で武器を回転させると、巨大な渦潮が発生し、ラードーンギルディを飲み込む。

 ラードーンギルディは渦の中で、洗濯機に入れられた洗濯物のように力無く流され、その身を幾重にも重なる水流のカッターで切り刻まれていった。

「ぐわああああああ!!か、顔にも鎧を付けておくべきであったかああああ!!」

 人生最期の悔いを叫びながら、荒れ狂う激流の中で、洗濯されながら消滅するラードーンギルディ。

 敗因となった、美しさを重要視する性格をよく表した最後の言葉であった。

「汚れるのが嫌などという甘い考え方で、戦場に出てくるとは…精神的にはまだまだ未熟だったようですね」

 渦潮が消えると、消滅したラードーンギルディの属性玉(エレメーラオーブ)が落下してくる。
 その属性玉を拾う少女は、その属性玉の名を呟いた。

「ツインテール属性……道理でいつもより強い筈です」

 そう呟くと、彼女はその属性玉をそっと握り締めた。

 彼女はテイル戦士。数多の世界にそれぞれ存在する、侵略者アルティメギルに唯一対抗できる最強の属性力、ツインテール属性を持った、ツインテールの戦士たちの一人である。


 これは、ツインテイルズ結成以前の…いや、世界最高のツインテール馬鹿こと、観束総二がテイルレッドになるより遥か前の、異世界の物語である。 
 

 
後書き
本当は全話上げたいのですが、5話中3話がもう手元に残ってないんですよ。
再投稿出来なかったのはそれが理由です。

いつかリメイクして、もう一度完結させなければ……。 
< 前ページ 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧