南蛮黒船
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第三章
「特に若い男の先生の間で」
「生徒と同じだな」
「実は」
「そうだな」
「ですから」
「初等部か」
理事長は考えながら話した、学園の外の蕎麦屋で食べながら話している。蕎麦自体は美味いが二人共話に関心が向かっていた。
「それか」
「初等部も若い男の先生がいて六年生になりますと」
「そうしたことにだな」
「関心が出ます」
「そうだな、では後は」
「幼稚園ですか」
「そちらになるか」
こう言うのだった。
「そうなるか」
「そうですね」
校長も頷いて応えた。
「そこになりますね」
「シスターは保育士の資格も持っている」
「なら好都合ですね」
「教員免許にな」
「神学博士でもあり」
「そちらの資格も持っているからな」
それでというのだ。
「丁度いいな」
「左様ですね、それでは」
「シスターにも話そう」
こうしてだった。
ミカエラは理事長に呼ばれてこの決定を告げられた、すると彼女は目を瞬かせてそのうえで言った。
「幼稚園の方にですか」
「転勤して欲しい、同じ敷地内だしな」
それでというのだ。
「通勤もそのままだ」
「少し行く場所が変わってですか」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「幼稚園児、小さい子供にな」
「教えるのですね」
「そうしてくれるか」
「そう言われるなら」
ミカエラは特に反論することなく頷いて応えた。
「これからは」
「それではな」
「はい、そうさせて頂きます」
素直に転勤に応じて実際にそうした、だが。
高等部の学生達は彼女の転勤を聞いて無性に残念がった。
「ああ、転勤なんてな」
「残念だな」
「あれだけの美人さんがいなくなるって」
「胸がな」
「あの胸が見られなくなるなんて」
「無念だよ」
口々にこう言うのだった。
「折角だったのにな」
「あの胸がなくなるなんて」
「こんな残念なことはないよな」
「全くだよな」
これは男子生徒だけでなくだ。
女子生徒達もだ、無念の顔で言った。
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