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ハッピークローバー

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第十一話 合コンその八

「間違っても暴力振るったりする奴とはな」
「一緒にならないことね」
「世の中屑もいるからな」
「貢がせて自分は働かなくて」
 留奈は今も鏡で自分の顔をチェックしている、そうしながら悪いところはないかと見ながら兄に応えている。
「それで主夫にもならないで偉そうにしてる奴は」
「問題外だ」
「やっぱりそうよね」
「世の中そんな奴もいるな」
「感謝の気持ちもなくてね」
 それでというのだ。
「器が小さくて無神経で図々しいのは」
「絶対に駄目だぞ」
「屑過ぎてよね」
「暴力振るう奴も駄目だが」
 それだけでなくというのだ。
「そうした奴もな」
「駄目なのね」
「問題外の屑だ」
 暴力を振るう輩だけでなくというのだ。
「だからな」
「付き合ったら駄目ね」
「それなら猫だ」
 雅之はここでこう言った。
「猫を飼った方がずっといい」
「何で猫なの?」
「猫は暴力を振るうだろ」
「そうね」
 その通りだとだ、留奈は答えた。
「うちは猫飼ってないけれどね」
「亀とかハムスターでな」
「猫じゃないけれど」
「猫は噛んで引っ掻いて来る」
「暴力振るうわね」
「しかも働かない」
 この要素もあるというのだ。
「悪いことをしていないと寝ているな」
「いつもね」
「しかもだ」
 それに加えてというのだ。
「尊大で図々しいな」
「そうなのよね」
「三年飼ってもな」
 そうしてもというのだ。
「三日で恩を忘れるぞ」
「よく言われるわね」
「それでいつもふんぞり返っているな」
「そうした生きものね」
「それでも可愛いしだ」
 猫はというのだ。
「懐いてくれて愛嬌もある」
「癒してくれるし」
「だからいい、しかしな」
「それが人間の男だと」
「屑だ、そもそも猫に悪気はないがな」 
 純粋なことは純粋である、それは猫の目にも出ている。ただ悪戯好きで好奇心旺盛なだけであるのだ。
「人間には悪意がある」
「だから猫より遥かに酷いのね」
「身体の大きさもあるしな」
 この要素もというのだ。
「だからだ」
「それでなのね」
「人間の方が遥かに悪質だ」
「それでなのね」
「屑を彼氏に持つよりな」
「猫を飼う方がいいのね」
「遥かにな」
 そうだというのだ。 
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