漫画でしかないことじゃない

　　　　　　　　　　　　　　　　漫画でしかないことじゃない
　伊原克信はプロ野球のあるチームでエースであった、ノーヒットノーランも達成し大投手として知られていた。
　今は現役を引退して解説者をしつつ地元のプロ野球の少年野球のチームで監督をしている、一八〇を超える長身で引退してもトレーニングを続けていて体型は整っており長方形の顔立ちも引き締まり目は丸く唇は引き締まっている、黒髪は清潔に整えている。
　その彼がだ、ある日チームの子供達に言われた。
「先生、ルールは守らないと駄目ですよね」
「野球のルールは」
「それは絶対だ、ルールだけじゃないぞ」　
　伊原は真面目な顔で話した。
「スポーツマンシップもだ」
「守らないといけないですね」
「絶対に」
「そこはですね」
「守ってですね」
「野球そしてスポーツをするんだ」
　それは絶対にというのだ。
「さもないと野球自体したら駄目だよ」
「お父さんとお母さんにも言われました」
「ルールは守れって」
「スポーツマンシップを守れって」
「そう言われました」
「その通りだ、監督も言うぞ」
　伊原は真剣に話した。
「野球は頭も使わないと駄目だけれどな」
「それでもですね」
「ルールは守る」
「それでスポーツマンシップも」
「そうするんだ、いいな」　
　子供達に話してそうしてだった。
　彼は子供達に野球のルールだけでなくスポーツマンシップも教えていった、そうして野球を教えて監督をしていったが。
　ある自宅に子供達を呼んでテレビである国際大会の日本とある国の試合を一緒に観ていたがその試合は。
「なっ！？」
「あの、先生今」
「頭にボール投げましたね」
「そうしましたね」
「わざとだ、ビーンボールだ」
　伊原は子供達に確信して話した。
「今のは」
「そうですよね」
「絶対にやったら駄目ですね」
「今のことは」
「ビーンボールそれも頭なんて問題外だ」
　伊原は驚きを隠せない顔で話した。
「本当に」
「そうですよね」
「そんなことをしたら駄目ですよね」
「間違っても」
「そんなことをしたら」
　それこそというのだ。