ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~
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第50話
前書き
超サイヤ人2が最近優遇されてるのって使いやすさもあるけど、メイン形態に最も近い変身だからなんだろうな
超サイヤ人2=超サイヤ人に超サイヤ人を重ねがけ。
超サイヤ人ブルー=超サイヤ人ゴッドに超サイヤ人を重ねがけ。
トランクスの渾身の気弾の直撃を受けたブウ。
気が消えたことで死んだと思ったのだが、ブウの気が大きく変わった。
気の大きさだけではなく、何と言えば良いのか…無邪気な感じが無くなり完全な邪悪な気へと変貌し、僅かな肉片から再生された時はブウは先程の太っちょの姿ではなく筋肉質な肉体をしており、より戦闘向きな姿となっていた。
「(姿が変わっただけじゃない…今までとはまるで違う!)」
ブウの気は完全な悪の物となっており、肉体が戦闘向きとなったことで戦闘力が大幅に上がっている。
当然、そのブウの急激な変化は界王神界にも届いていた。
「この気は魔人ブウか…?おい、界王神様。どうなってるんだ?」
「さ…さあ…」
「恐らくトランクスに追い詰められたことによる怒りでブウの悪の心が増幅したんじゃろう。」
「あ、あの…パワーアップを急いでくれませんか?これではトランクスが…」
「分かっとる分かっとる。儂だって目一杯やっとるわい」
悟林と界王神がブウの変化に疑問を抱くが、老界王神がブウの異変の理由を言うと悟飯は焦るようにパワーアップを急く。
そして場所は地球に戻り、ブウは気を解放した。
「があああああ~~~っ!!!」
「っ!!」
超サイヤ人2の限界を超えたトランクスですら吹き飛ばされそうになる気を放つブウ。
気の解放を終えるとトランクスを見て笑う。
「俺、お前を殺す。」
「…貴様、本当に魔人ブウか?姿だけじゃなく性格も気も…さっきとは違いすぎる」
「俺はあいつの中にあった悪い心、お前にボコボコにされてあいつが怒ったから俺が目覚めた。」
「なるほど…悪の心に乗っ取られたのか…ブウを乗っ取る際にあの体も戦闘向きに変えたのか…納得した…」
例えブウが悪の心に乗っ取られようとトランクスにとってブウは倒すべき敵であることに変わりはない。
トランクスが構えるとブウも構える。
「今の俺はさっきの俺とは違う。お前をぶち殺してやる」
「…その前に俺が…貴様を殺す…!」
睨み合う両者、そして石が地面に落ちた瞬間、2人は激突した。
拳と蹴りをぶつけ合い、2人は乱打戦に持ち込む。
「ギッ!!」
「ぐっ!だあっ!!」
トランクスの横っ面にブウの拳が突き刺さるが、トランクスの蹴りもブウの顎を蹴り上げる。
すぐにブウも反撃の蹴りをトランクスの腹に叩き込み、トランクスもブウの胸に拳をめり込ませる。
「ぐほ…っ!!」
しかしブウは触角を伸ばしてトランクスの首を締め上げて吊るすと勢いつけて殴り飛ばした。
「ぐう…っ!!」
あまりの威力に一瞬頭が真っ白になったトランクス。
ブウが追撃の気弾を放ち、それに気付いたトランクスがかわすものの、ブウは気弾を連射していく。
トランクスは指先に気を溜めながら気弾をかわし、攻撃後の隙を突いて最大まで溜めた気功波を放った。
「魔貫光殺砲ーーーっ!!」
「はあーーーっ!!」
それに対してブウは魔閃光で反撃し、気功波がぶつかり合う。
よほどの実力差が無ければ魔貫光殺砲の威力で押し切れるはずだが押し切れない。
それだけブウの戦闘力がアップしているということだ。
「ぐっ…!畜生…!」
押し切れないと判断したトランクスは気功波を中断するとブウの気功波の横を通り抜けながらブウに接近するとブウも気功波を中断してトランクスに突撃する。
互いの拳が互いの横っ面に突き刺さり、その衝撃で周囲の岩が吹き飛ぶ。
同時に距離を取るが、ブウのダメージはほとんど無く、トランクスの方が息切れを起こしている上にダメージが大きい。
「はあ…はあ…」
「へへへ…」
ブウはニヤリと笑うと気弾を放ち、その気弾をトランクスは何とかかわすが、ブウはその隙を突いて腕を伸ばしてトランクスを拘束する。
そしてブウはトランクスを拘束したまま、指先に気を集中させる。
「うあっ…!」
「これもお前の技、こいつでお前を殺してやる」
見て覚えた魔貫光殺砲でトランクスを殺そうとするブウ。
その姿は老界王神が出した水晶玉で様子を見ていた悟林達も焦り始める。
「駄目だ!これじゃあやられてしまう!トランクス…!おい!界王神の爺さん!まだ悟飯のパワーアップは終わらないのか!?」
「ん?ああ、もう終わっとるぞ。よし、行ってこい」
「え!?」
「お、終わってる!?何時からだ!?」
「んー、5分くらい前からかの?」
パワーアップが既に終わっていることに悟飯が驚き、悟林が何時終わったのか尋ねると5分前に終わっていたとのこと。
「な、何でもっと早く教えてくれなかったんですか!?」
「馬鹿たれ、ピンチになってから行った方がドラマチック…ぶへぇ!?」
この非常時にドラマチックなどとほざくボケ老界王神を蹴り飛ばす悟林。
流石の悟飯や界王神、キビトですら止める気にはなれなかったのか、足蹴にされている老界王神に構わず悟飯は取り敢えず気合を入れることで潜在能力を解放し、界王神とキビトから激励を受けていた。
「では、孫悟飯。頼んだぞ」
「あなたが宇宙の最後の希望です。あなたの勝利を願っています」
「はい、任せて下さい!」
キビトに頼んで服を愛用の道着に変えてもらうと、老界王神をしばき終えた悟林が悟飯に歩み寄る。
「よし、悟飯。頑張ってこい。今のお前ならブウになんか負けないんだからな。」
「はい、姉さん」
「無駄に長生きして爺さんになってから来いよ、お前は寂しがり屋だから私達の後追いをしないか心配だよ」
「しないよ、だって俺には奥さんや娘もいるんだから」
「は?」
悟飯の口から飛び出た単語に悟林は目を見開く。
「……随分と笑えないジョークだな。勉強マニアのお前に結婚相手が見つかるとは到底思えないな」
「ほら」
悟飯が既婚者であることを頑なに認めない悟林に証拠となる妻子であるビーデルとパンが写っている写真を見せた。
「…ず、随分と上手く作られた合成写真だなあ……悟飯…姉ちゃんを騙そうとしてもそうはいかないぞ」
「本物だよ」
「嘘だ!色気より勉強のお前が結婚するなんてあり得ない!てっきり教科書か辞典と結婚してみんなの笑い者になるのがオチだと思ってたのに!!」
「向こうもそうだけど姉さんは俺を何だと思ってるんだ?」
「勉強にのめり込むと一歩も外に出ようとしない勉強マニアに決まってるだろ?机から離れないお前を見ていて変人ってのはお前みたいなのを言うんだなと思ったよ」
「大半の人は姉さんが変人と思うだろうけどね!」
「何だと!?」
「あ、あの!姉弟喧嘩をしている時ではありませんよ!」
「早く私に触れろ孫悟飯!このままではトランクスが死んでしまうぞ!」
姉弟喧嘩をし始めた2人に慌てて界王神とキビトが止め、地球へ戻ることを促す。
「「そ、そうだった!」」
「悟飯!頼んだぞ!トランクスを助けてブウを倒してこい!」
「勿論!姉さんもありがとう!」
最後に拳を軽くぶつけ合い、悟飯はキビトと共に地球に向かい、悟林もまた界王神があの世に送り届けてくれた。
「…あいつら、一番頑張った儂に何も言わずに行きおった…」
1人残された老界王神の呟きが誰もいない界王神界に虚しく響いた。
「じゃあ、ここで。ありがとう界王神様」
「いえ、こちらこそ。あなたのおかげで希望が見えました。本当にありがとうございます」
界王神は笑みを浮かべて界王神界へと戻っていき、悟林は弟子と弟の勝利を願いながら大界王星に向かう。
「では、私はここまでだ。後は頼んだぞ」
「はい、キビトさん。ありがとうございました。2人の界王神様にもよろしく!」
そして地球に帰還した悟飯もキビトと別れて急いでトランクスの元に向かう。
場所は荒野に戻り、伸ばした腕で拘束していたトランクスにブウが魔貫光殺砲を放つ。
「死ねっ!!」
「う…うおおおおおっ!!」
直撃する前に何とか体を拘束しているブウの腕を吹き飛ばして脱出し、魔貫光殺砲を避ける。
「しぶとい奴だ」
ブウは一気に距離を詰めてトランクスの背後を取るとトランクスを背後から殴り飛ばす。
地面に叩き付けられたトランクスは地底にまで落ちるが、何とか体勢を立て直すものの、スタミナ切れを起こしているトランクスはブウの猛攻に耐えるので精一杯だ。
一方的に殴られ、衝撃に相当強いはずの戦闘ジャケットも原型を留めない程にまで破壊されている。
地上に弾き飛ばされた時にはもう超サイヤ人すら維持出来ずに倒れてしまう。
「ぐ…うう…」
「もう飽きた。遊びはおしまいだ」
ブウがトランクスにとどめを刺すために気弾を放とうとするが、その前に真横から駆けつけた悟飯がブウを蹴り飛ばす。
「トランクス、大丈夫か!?」
「ご、悟飯さん…」
「遅くなってすまない。でも、もう大丈夫だ」
安心させるように笑うとトランクスは安心したように笑って気絶した。
「本当に良く頑張ったな」
巻き込まれないように離れた場所にトランクスを寝かせるとブウが吹き飛んだ方向に向かう。
すると岩が吹き飛んで飛び出したブウが悟飯を睨む。
「今のは痛かった…痛かったぞーーーっ!!」
潜在能力を引き出した悟飯の蹴りはブウに相当のダメージを与えており、ブウの表情は怒りで歪む。
叫びながら放つ気の衝撃波で地球全体が揺れている。
悟飯はブウの気の影響などないかのように距離を詰めて顔面を殴り飛ばす。
「これ以上お前に地球を滅茶苦茶にされるわけにはいかない」
「ぐううう…!」
更に距離を詰めた悟飯はブウの全身に無数の攻撃を浴びせて怯ませると更に顔面に裏拳をぶつけ、回し蹴りを叩きみながらブウの背後を取り、後頭部に蹴りと背中に拳をめり込ませる。
そして上空に蹴り上げたブウを追い越して真上を取る、組んだ拳をブウの脳天に叩き込んで地面に叩き落とす。
何とか体勢を立て直したブウが上空を睨むが、悟飯はそこにはおらず、ブウの背後でかめはめ波の体勢を取っていた。
「ウスノロ…」
冷徹な表情で言い放つと恐怖の表情を浮かべているブウを見た。
「(魔人ブウ、貴様も生まれが違えば俺達と仲良くなれたかもしれない。俺は出来ることなら誰も殺したくない。だが、お前を野放しにしていると更に罪なき人々が死ぬ。悪いが俺は悩まない!お前を倒して平和を取り戻す!!)か…め…は…め…波ーーーっ!!!」
「い、嫌だ…そんなの嫌だーーーっ!!」
悟飯のとどめの超かめはめ波をまともに受けたブウは自分の死を受け入れられず叫びながら細胞1つ残さず消し飛ばされた。
「やったよ、姉さん」
あの世の姉に告げるように言うと、向こうで気絶しているトランクスを迎えに行った。
当然それは界王神達も見ていたのだが、その気の緩みを狙っていた者がいるなど知る由もなかった。
後書き
この作品では同じブウ戦でも戦闘力は未来悟飯の方が上です。
同じアルティメットでも地力や力の引き出し含めて倍以上の実力差があると思います。
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