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日本の不良

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第二章

 足が完全に隠れるまでに長いスカートのセーラー服である、チェーンを持っていて顔にはマスクをしている。
 そのファッションの彼女を見てだ、悠は言った。
「昭和ね」
「古いかしら」
「今令和よ」
 悠はそこから話した。
「それ昭和、一九八〇年代初頭のね」
「私達が産まれる前ね」
「ずっとね。お父さんお母さんが子供か学生の頃の」
 そうした頃のというのだ。
「大昔じゃない」
「もう四十年位前ね」
「そんな頃の不良なんて思わなかったわ」
「その頃の漫画を読んでいたのよ」
「昨日読んでいたのは」
「それがかなり面白くて」 
 そう感じてというのだ。
「ファッションもいいと思ったからよ」
「そうしたのね」
「そうよ」
 こう言うのだった。
「それで似合ってるかしら」
「似合ってる以前の問題よ」
 悠はリーファにジト目で言葉を返した。
「もうね」
「そうなの」
「その頃体操服ブルマよ、女の子は」
「ブルマというとあの伝説の」
「あのショーツみたいなね」
「というかショーツそのものね」
「あんな恥ずかしいもの穿いてたのよ」
 そうであったというのだ。
「そんな時代のものよ」
「あんなの穿いて外出たら性犯罪が物凄く増えるわね」
「私もそう思うわ、あんたあれはどうなの?」
「絶対嫌よ」  
 リーファはそちらについてはこう答えた。
「ブルマは。けれど不良の恰好はね」
「気に入ったからなの」
「してみたの。校則違反でないならいいでしょ」
「まあね。けれどね」
 それでもとだ、悠は話した。
「幾ら何でも古過ぎるわ」
「けれどいかしてるから暫くこのままでいくわ」
 リーファはあくまでこう言ってだった。
 実際に暫くの間そのファッションでいった、昭和の不良のだ。そして何時しか彼女の仇名はスケバンとなり。
「ヨーヨー買ったわ」
「刑事?」
「刑事じゃないけれど」
 それでもと言うのだった。
「スケバンというとね」
「ヨーヨーも必要なのね」
「漫画で読んだから」
 このことについてもというのだ。 
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