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八条学園騒動記

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第六百四十七話 無欲な野心家その三

「そうした状況でした」
「それでその状況を終らせて」
「そのうえで、です」 
 さらにというのだ。
「自分達が支配層になる」
「そのことも狙って」
「ジャバル副主席は動いているのね」
「そうなのです」
「そう聞くと危ういわね」
「そうだね」
 ジミーもそれはと頷いた。
「何かとんでもないことしそうだね」
「怨念持っていてね」
「そうだよね」
「そんな気がするわ」
「私も心配しています」
 セーラも危惧する顔で述べた。
「あの人が暴走しないか」
「それでとんでもないことをしないか」
「そのことをです」 
 まさにというのだ。
「今から」
「そうなんだね」
「共産主義国家の様な」
 今はないそうした国家の話も入れた。
「ああした極端なことをするのかと」
「恐れているんだ」
「はい」
 まさにというのだ。
「実は」
「確かに共産主義国家みたいになったら」
「恐ろしいことですね」
「もう共産主義国家なんて過去の遺物だけれど」
 それでもというのだ。
「今もそうした国が出来るからね」
「サハラではそうですね」
「そんな国あったよね」
「あちらでは」
「戦争ばかりで色々な国が出ては潰れて」
「その中で、です」
 千年の戦乱の中でというのだ。
「そうした国もです」
「出て来たね」
「そして滅んで来ています」
「無茶苦茶な政治して」
「国内が荒廃してです」
 そうなってというのだ、共産主義国家の多くは内政で致命的な失敗を犯している。それで多くの餓死者も出ている。
「そのうえで」
「攻められてだね」
「若しくは反乱が起こって」
 国内でそうなってというのだ。
「そしてです」
「潰れていっているね」
「はい」
 そうだったというのだ。
「これまで」
「そうした国って滅びるんだね」
「戦乱の地域では」
「国が無茶苦茶になるから」
「そうなります
「じゃあマウリアもか」
 ギルバートはその目を鋭くさせて言った。
「サハラの中にあれば」
「いえ、あの人は餓えさせる様な政治はしません」 
 セーラはそれは否定した。
「国内を乱すこともです」
「しないか」
「むしろの逆に」
 混乱をもたらすのではなく、というのだ。
「秩序と繁栄をです」
「そうした人か」
「アウトカースト層の革命を目指していますが」
「共産主義国家みたいなことはしないか」
「決して」
 そうだというのだ。 
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