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第十話 性欲は誰にもその七

「男の子と女の子は駄目で」
「男の子同士、女の子同士はいいって」
「それはね」
「随分とおかしいわね」
「まして日本はね」
 再び国の文化からも話した。
「そうしたことは普通で」
「充分考えられるのにね」
「それで捕まった人もいないし」
 このことについても言及した。
「それでね」
「昔は普通だったし」
「今だって個人の趣味でね」
 それでというのだ。
「してる人いるのにね」
「漫画なんてね」
 富美子はこちらの話をした。
「そんなの滅茶苦茶多いわよね」
「同人誌なんか」
 それはとだ、かな恵は富美子に答えた。
「凄いわよね」
「普通にいやらしい時もあるけれど」
「男性キャラ同士とかもあるわね」
「所謂ヤオイね」
「それで百合っていうね」
「女性キャラ同士もね」
「あるし」
 それでというのだ。
「そういうの見たら」
「不純同性交遊が校則で言われてないって」
「どうしてかしら」
「日本が一番ある国なのに」
「そうしたことがね」
 こう言うのだった。
「禁止じゃないって」
「考えてみたら」
「おかしいわね」
「どうもね」
「見落とし?」
 留奈はこれではないかと言った。
「これって」
「そうかも知れないわね」
 かな恵も否定しなかった。
「男の子と女の子のことばかり気にして」
「それでね」
「同性愛のことはね」
 こちらはというのだ。
「ついついね」
「見落としていたのね」
「そう、それでね」
「校則にもないのね」
「そうじゃないかしら」
 こう言うのだった。
「普通にこっちもあるしね」
「そうよね」
「特に歴史から見たら」
「日本だとね」
「もう普通にね」
 それこそというのだ。
「あることだしね」
「そうよね」
「まあ男の子同士が多いわね」
 かな恵はあっさりとした口調で指摘した。
「日本は」
「そうよね、織田信長さんも新選組も」
 理虹もそれはと頷いた。
「男の人で」
「それじゃあね」
「女の子同士はね」
「あまりないわね」
「否定されてもいないけれど」
「この場合は男の子同士よね」
「所謂ホモね」
 下世話な言葉での表現も出た。
「そっちよね」
「そうなるわね」
「まあホモでも法律に違反してないしね」
 一華は自分は趣味ではないがと行間に入れつつ述べた、事実想像してもあまりいいとは思えなかった。 
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