仕事で最も大事なもの
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第一章
仕事で最も大事なもの
居蔵陽子は京都のある老舗の企業で秘書をしている、黒髪を長く伸ばし面長で丸く長い睫毛の目を持っている。唇は大きく薄く紅である。背は一五五センチ程ですらりとしたスタイルであり脚が奇麗だ。いつも地味な色のスーツを着ていてスカートの丈は膝までだ。
その彼女は今眉を曇らせていた、そうして自分より何歳か若く二センチ程背の高い中村季衣に対して尋ねた。
「中村さん、昨日言ったお仕事だけれど」
「こ、これです」
季衣は自分の席で必死に仕事をしていたが陽子に言われてだった。
ある書類を出して陽子の席の前に来て言った。
「今さっき終わりました」
「そうなのね」
「はい、それで今は今日の朝言われた」
「コピーは終わったわね」
「これからします」
「これからって朝のお仕事はどうしたの?」
「今やってます」
「わかったわ、じゃあこのお仕事チェックするわね」
「お願いします」
季衣は陽子に頭を下げて言った、陽子と同じく膝までのタイトスカートだが色はクリーム色である。黒髪はショートで丸い感じである。童顔で目が大きく全体的にあどけない。胸は結構ある。
だがその表情は必死で一杯一杯という感じだ、陽子はその季衣から書類を受け取ってチェックしたが。
仕事が終わって市内の自分の部屋に帰ってから今は大阪にいる大学の同期に話した、今はスーツではなくラフなジャージ姿だ。
「いつも必死で頑張ってて真面目なんだけれどね」
「滅茶苦茶要領悪いのね、その娘」
「そうなの、新入社員であることを抜いてもね」
「そんなに酷いのね」
「おまけにミスも多いし」
「そんな娘なの」
「ええ、けれど社長の一人娘でね」
季衣のこのことも話した。
「しかも努力しているしメモも取ってね」
「頑張ってることは事実なのね」
「素直だしね、礼儀正しいし」
「いい娘なのね」
「ええ、ただ本当にね」
同期にスマートフォン越しに話した。
「兎に角要領が悪いのよ」
「それで教育係としては」
「大変よ、真面目な分怒れないしね」
「しかも社長さんの一人娘ね」
「将来会社継ぐしね」
このこともあってというのだ。
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