イベリス
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第三十七話 完成させることの大切さその九
「畳の上でするのよね」
「絶対にね」
「畳だとクッションになるからよね」
「だから柔道は絶対に畳を敷くの」
そして畳の上で行うものなのだ。
「何があってもね」
「さもないと危ないのね」
「そうよ、固い床の上ではね」
「絶対にしたら駄目なのね」
「そんなことしたら傷害罪よ」
普通ならというのだ。
「どんな理由でもね」
「教育じゃないわね」
「お父さんやお母さんが咲にそうしたことある?」
「ないわ」
咲は母に即答で答えた。
「そんなことは」
「そうでしょ」
「想像も出来ないわ」
「頭をごつん位はあったわね」
「あとしゃもじで叩かれたりとか」
「けれどそうしたことはなかったでしょ」
「怪我する様なことはね」
それはとだ、咲もはっきりと答えた。
「なかったわ」
「こんなの下手したら死ぬわよ」
そこまでの行為だというのだ。
「もう凶器よ」
「武器は持っていなくても」
「ましてこうしたことする先生って普段から竹刀持ってたりするから」
「その竹刀自体が武器ね」
「こんな先生が普通にいられるから」
「暴力振るわれ損なのね」
「おかしな教育で生徒を死なせてもクビにならないのよ」
そして刑事事件にも問われない、部活の指導でそうしたことになっても本当にお咎めなしの世界なのだ。
「普通の会社、お役所でもクビのお話でも」
「先生はクビにならないのね」
「だからおかしな先生が普通にいて」
「暴力振るうから」
「そして本当にお咎めなしだから」
「そうしたところからは逃げるべきなのね」
「最近はインターネットでこうした先生は吊るし上げられるけれどね」
だから教育委員会等が動かずとも制裁を加え社会的に抹殺することが可能である、今はそれが可能になっているのだ。
「法律じゃないリンチかも知れないけれどね」
「リンチでも変な人はそうしていいかも知れないわね」
咲は本気でこう考えた。
「冗談抜きに」
「それで困るのは生徒の子達だからよね」
「ええ、そんな先生がクビにならないなら」
それならというのだ。
「インターネットでね」
「吊るし上げにしてよね」
「社会的にどうにかしてもね」
「本当はよくないことにしても」
「そうでもないと学校に残るなら」
そしてそうした教師程学校に残る、最悪校長等より高い権力の座に就く。教師自体が権力者であるのにだ。
「もうね」
「そうしてもいいっていうのね」
「私はね。漫研は先生は自主性重んじてね」
「そんなことしないわね」
「全然ね」
こう咲に話した。
「穏やかでいい先生よ」
「なら問題なしね」
「ええ、そう思うわ」
「ならいいわ、じゃあ最後までね」
「終わらせることね」
「そうしてね」
「ええ」
咲は約束した、そうして次の日休日だったので愛に連絡をして彼女とも相談することにした。その時に咲はこの日のこれからのことを話した。
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