八条学園騒動記
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第六百四十五話 牛達と共にその七
「いけません」
「左様ですね」
「ではですね」
「食べるべきですね」
「残さずに」
「そう思います、命を粗末にしてはいけません」
決してというのだ。
「それは罪になります」
「全く以てその通りです」
「姫様の言われる通りです」
「それならばです」
「我等は」
「残さず食べましょう」
前にある料理はというのだ。
「そうしましょう」
「はい、ではですね」
「今のカレーも」
「いただきます」
笑顔での返事だった。
「そうします」
「そうして下さい」
「是非共」
「そうします、それとですが」
セーラはさらに話した。
「目の前のキャンプファイアーですが」
「ダンスがはじまっていますね」
「そうなっていますね」
見ればフォークダンスがはじまっていた。
「クラスの方々も入られています」
「そうしておられますね」
「それではですね」
「姫様も」
「そうしたいですが」
それでもとだ、セーラは残念そうに述べた。
「フォークダンスは手を触れ合いますが」
「姫様はですね」
「それはですね」
「出来ません」
こう言うのだった。
「それは」
「左様でしたね」
「結婚される方以外とは」
「そうですね」
「ですから」
それ故にというのだ。
「したくともです」
「出来ませんね」
「姫様は」
「その方はもう決まっています」
婚約者即ち生涯の伴侶はというのだ。
「そうですね」
「はい、ですが今はマウリアです」
「マウリアにおられます」
「それではです」
「お会い出来ません」
「私が触れられるのはその方のみで」
それでというのだ。
「私の純潔も全ても」
「あの方のものですね」
「そうですね」
「そうです、他の方にはです」
それこそというのだ。
「ありません」
「左様ですね」
「それではですね」
「この度は」
「フォークダンスは」
「観るだけです」
それだけだというのだ。
「私は」
「そうですね」
「そこはそうされますね」
「他の誰にもです」
それはというのだ。
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