ハッピークローバー
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第九話 合コンの前にその六
「今はね」
「ファッションね」
「そうよ」
「それに成海っちの茶髪って地毛よね」
富美子はかな恵にこのことも問うた。・
「そうよね」
「そう、お母さんの遺伝でね」
それでというのだ。
「地毛よ、だからね」
「問題なしね」
「そうよ」
「いいことね、ただ私はね」
富美子は自分のことも話した。
「ファッションでね」
「毛染めてるわね」
「そうしてるの、ただ」
富美子は考える顔でこうも言った。
「黒に戻してもね」
「いい?」
「何か黒もね」
自分の元の色もというのだ。
「いいかもってね」
「思ってるのね」
「染めるのも結構手間かかるし」
「脱色してもね」
「それで髪の毛痛むし皮膚にもね」
「よくないっていうわね」
「私はそんなにだけれど」
髪の毛や皮膚に影響はないがというのだ。
「やっぱりね」
「手間がかかって」
「それが鬱陶しく思う時もあるから」
「黒に戻ることもなの」
「考えるわ」
「戻してもいいんじゃない?」
留奈は少し考える顔になって富美子に話した。
「そうしても」
「私が思うなら?」
「そう、富美子ちゃん黒でもね」
こうしてもというのだ。
「いいと思うから」
「それでなの」
「富美子ちゃんがそうしたいなら」
それならというのだ。
「してもね」
「いいのね」
「そう思うわ、元々アジア系って髪の毛黒だしね」
「それで目も黒ね」
「それって悪いことかっていうと」
「そうでもないわね」
「自分の好きな感じで」
それでというのだ。
「やっていってね」
「いいのね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「こうして見たら」
留奈はここでクラスの中を見回した、見れば四分の一位が白人である。八条学園は世界中から人が集まる学園であり生徒や教師、職員の半分が海外から来ている者なのだ。
「アジア系多いわね」
「そりゃそうでしょ」
理虹はそれを当然と言い切った。
「半分が日本人で後の半分もね」
「アジア系の人多いからね」
富美子はあっさりと述べた。
「中国とか東南アジアとかから来てね」
「それでよね」
「元々アジア系って世界の中で多いから」
「うちの学校でも多いわね」
「留学してきてる子達でもね」
「あと黒人の子もいるしね」
「アフリカから来てる子とかね」
「アフリカ系アメリカ人ね」
「そうした子もいるから」
それでというのだ。
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