オズのラゲドー氏
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第十一幕その六
「相が決まるけれど」
「人相ですか」
「その人相がね」
「私達はいいんですね」
「とても心が奇麗だから」
それでというのです。
「人相もいいのよ」
「ほら、見るんだ」
前ノーム王はオズの魔法使いの彫刻を皆に紹介しました、全身のブロンズ像ですが今魔法を使ってシルクハットから子豚達を出しています。
「この通りね」
「あっ、魔法使いさんのお顔も」
「とてもいいですね」
「にこにことしていて」
「優しくて人懐っこい感じで」
「凄く相ですね」
「人相がいいと」
それならというのです。
「人の顔はそれだけでよくなるんだよ」
「いいお顔にするのは自分自身よ」
トロットがまた言います。
「いいことをしていい心でいるなら」
「いいお顔になる」
「それは僕達も同じですね」
「だから忠実に描いてもらったら」
「とてもいいお顔なんですね」
「自分でも驚く位に」
「そういうことなのよ」
こうお話するのでした。
「これでわかったわね」
「わかりました」
「お顔は自分が作るものですね」
「いいことをしていい心でいる」
「そうすればいいんですね」
「いいお顔になるんですね」
「その通りよ」
こう言うのでした。
「お顔はね」
「性格や生活がですね」
「出るのよ」
「それでよくなりますね」
「そうなのよ」
「それなら私達もですね」
「ええ、これからね」
「いいことをして」
そうしてとです、ナターシャは言いました。
「いいことを言っていいことを考えていきます」
「そうしていってね」
「わかりました」
トロットの言葉に頷いてでした。
皆は美術館の中にある様々な芸術品を見てでした。
その中にあるカリダの絵についてです、前ノーム王は言いました。
「何かな、この絵は」
「どうしたの?」
「何か目の位置が左右で違ったりデッサンが崩れているね」
こうトロットに言いました。
「不思議な絵だね」
「それピカソさんの絵よ」
すぐにです、トロットは答えました。
「昔は外の世界におられて今はオズの国におられるね」
「その人の絵なんだ」
「そうなの」
「随分変わった絵だと思ったらね」
「ピカソさんの絵は独特だからね」
それでとです、トロットはまた答えました。
「こうした絵なのよ」
「成程ね、ぱっと観るとわからないけれど」
それでもとです、前ノーム王はピカソさんの絵を観つつ言いました。
「観れば観るとかね」
「どうしたの?」
「味のある絵だね」
こう言うのでした。
「随分とね」
「貴方はそう思うのね」
「いいね、こちらの絵もね」
今度は絵の具を絵から浮き出るまでに使って一気に描いた様なドロシーの絵を観ました、そうして言うのでした。
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