八条学園騒動記
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第六百四十四話 まずいものその十
「中央集権国家だ」
「連合とは全く違うな」
「そうだ」
まさにというのだ。
「あの国はな」
「そうなんだな」
「そしてだ」
それでというのだ。
「韓国もエウロパのどの国よりも国力は上だ」
「当然イギリスよりもだな」
「ずっとな」
「そうなんだな」
「しかしこのことはだ」
韓国がエウロパのどの国よりも国力が高いことはというのだ。
「韓国人は意識しないな」
「というかエウロパより日本だな」
フランヅは赤ワインを飲みつつ応えた。
「エウロパが二番でな」
「日本がまずくるな」
「そうしたお国柄だな」
「あそこはな」
タムタムは今度は豚バラを食べつつ応えた。
「本当にな」
「そうだな」
「そしてだ」
フランツにさらに話した。
「エウロパの何処かの国に目を向けることはな」
「ないな」
「連合でイギリスはエウロパの国の中でも特に嫌われている」
「植民地のことでな」
「ナチスがあったドイツと同じだけかもな」
「ドイツも嫌われているな」
「そうだな、しかしだ」
連合の殆どの国ではそうでもというのだ。
「韓国でエウロパの何処かの国が言われることは稀というかだ」
「ほぼないな」
「兎に角日本だ」
この国だというのだ。
「本当にな」
「日本がどうか、か」
「同じ連合の国だが」
それでもというのだ。
「あの国だけはそうだな」
「難儀な話だな」
「つくづくな、学校の文化祭もな」
今自分達が中にいるそれもというのだ。
「日本がやっているからな」
「どの国でもやっていないか」
「連合ならな、しかし多くの学校が日本のそれ以上にだ」
「いいものにしようとか」
「しているらしい」
「文化祭もか」
「そうらしい、学校の成績だってな」
これもというのだ。
「日本と比べてどうか」
「成績はまだわかるな、しかしな」
「文化祭はだな」
「それぞれの国じゃないのか」
「だから韓国はまずな」
この国はというと。
「やはりな」
「日本がどうかでか」
「日本の文化祭が連合で評判だからな」
「日本以上にか」
「いいものにしようとなってだ」
そうした考えに至ってというのだ。
「必死にやっている」
「何か無駄に苦労している国だな」
「そう思うな」
「日本を意識し過ぎていてな」
その結果とだ、フランツは述べた。
「人は人じゃないのか」
「そして自分は自分だな」
「そう思わないのか」
「あの国はそうだ、だからうちの学園の文化祭を見てな」
「今のこれをか」
「連合で大人気ならな」
それならというのだ。
「日本に負けるかだ」
「そう言うか」
「絶対にな、だがやはりこうしてな」
「純粋に楽しむのがいいな」
「そう思うな」
フランツに対して問うた。
「やはり」
「ああ、どうしてもな」
「そう思うのが普通だが」
「韓国はそうでないか」
「そういうことだ、それで俺達はな」
「こうしてだな」
「楽しめばいい」
自然にというのだ。
「いいところは採り入れるが」
「それは連合だな」
「しかし日本は日本でだ」
「自分達は自分達だな」
「そういうことだ」
こう言ってだった。
タムタムは実際にフランツと共に酒と肉を楽しんだ、キャンプファイアーの前でそうしていたのだった。
まずいもの 完
2021・11・16
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