ハッピークローバー
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第八話 悪い男の見分け方その十二
「だって責任を理解していないのよ」
「無責任じゃなくて」
「無責任は何かしてその責任から逃げてるのよ」
「それも最悪よね」
「けれどあれはね」
「最初から責任理解しないで」
「それで好き勝手動いて言ってるから」
それでというのだ。
「何かしている自覚もないから」
「余計になのね」
「始末に悪いわ、それでね」
「ああいうのはなのね」
「傀儡もね」
これもというのだ。
「出来ないのよ」
「そうなのね」
「こういう奴にも惚れたら駄目よ」
「劉禅さんはいいの?」
「あの人はむしろお勧めよ」
きっぱりとだ、美奈代は富美子に答えた。
「三国志の人物でもね」
「そうなの」
「だって穏やかでちゃんと人を信じてくれるから」
だからだというのだ。
「変な人を信じるかも知れないけれど」
「悪い人じゃないから」
「それで自分もわかっている位の能力はあってね」
「それで人に任せてくれたりするし」
「案外会社の社長さんや重役だといけるのよ」
劉禅の様なタイプはというのだ。
「多少ぐうたらしていても最低限のお仕事はするし」
「曹操さんよりいいの?」
「いいでしょ、あの人かっとしたらすぐに過激なことするから」
その描写は史実でもある、父を殺され大軍で攻めて民も殺したりしている。
「才気煥発でもね」
「気が短いから」
「そう、だからね」
「あの人よりもなのね」
「私は劉禅さんの方がお勧めよ」
「そうなのね」
「むしろ劉禅さんはね」
彼のことをあらためて話した。
「大きなお店とか会社の経営者なら充分で」
「中小企業だと無理?」
「孔明さんというか頼りになる補佐の人いたらね」
中小企業でもというのだ。
「会社大きく出来るかもね」
「その人に任せるから」
「それで手柄も預けてくれるし」
自分のものにせずというのだ。
「いけるわよ」
「じゃあかなりいいのね」
「ええ、けれど鳥みたいな名前の人は」
「論外ね」
「責任理解しないし手柄もね」
これもというのだ。
「自分のものだって思い込むから」
「取るんじゃなくて」
「それで吹聴するから」
「会社潰すわね」
「実際総理大臣になって大変だったでしょ」
「そうね」
富美子もその頃のことをネットや本で知っていて頷けた。
「もう無能どころじゃなくて」
「あの人から三代最低の総理大臣続いたっていうけれど」
「そのはじまりの人ね」
「そこまで酷いから」
だからだというのだ。
「惚れるなんて論外よ」
「DV男とどっちが酷いかしら」
「平気で浮気しそうだしね」
事実女性の話も酷いものがある。
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