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ハッピークローバー

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第八話 悪い男の見分け方その二

「競争激しいからね」
「あっちは女の子少ないから」
「そう、だからね」
 まさにその為にというのだ。
「彼女求めてね」
「必死ってことね」
「それで必死同士でね」
「合コンするのね」
「そういうことよ」
 こう言うのだった。
「つまりはね」
「よくわかってるわね」
「だから見てきたって言ってるでしょ」
 妹にビールを飲みつつ言葉を返した。
「私は」
「八条学園に通っていて」
「先輩よ、先輩」
 妹にこうも言った。
「だったらよ」
「わかってるのね」
「見てきたからね」
 またこのことを言った。
「それでよ」
「そういうことね」
「私が高校の時からだったから」
「商業科は」
「相手の子を探してね」
 そうしてというのだ。
「入学早々ね」
「まずは商業科の男の子を狙って」
「入学式終わったらでしょ」
「もうそれと同時にね」
 まさにとだ、富美子は姉に答えた。
「男の子ね」
「皆彼女出来たでしょ」
「先輩までクラスに来られて」
 一年生のそこにというのだ。
「それでね」
「凄い取り合いになってよね」
「もうね、凄い奇麗な娘とか色気のある娘とか」
「可愛い娘とかがよね」
「彼氏作って」
「気付いたらよね」
「クラスどころか学年の男の子は」
 それこそというのだ。
「皆ね」
「売れちゃったでしょ」
「そうなったわ」
 実際にというのだ。
「いや、本当にね」
「あっという間にね」
「商業科の男の子は皆売れたわ」
「それで残った者は」
「他のところに行くしかないから」
「それよ、生態系と一緒よ」
 美奈代は笑ってこうも言った。
「食べものがないならね」
「他の場所に行くしかないの」
「それか他のものを食べる」
「それしかないの」
「ガラパゴス諸島と同じよ」
 南米にあるこの諸島の生きもの達と、というのだ。
「陸か海かわからないけれど」
「陸か海って」
「だからイグアナよ」
「イグアナなの」
「そう、サボテンか海草を食べて」
 そしてというのだ。
「暮らしていてもね」
「ああ、数が多くなって」
「食べられないイグアナも出て来て」 
 それでというのだ。
「もう片方をね」
「そのサボテンか海草を」
「それで生きているのよ」
「そうなの、それで住む場所も」
 これもというのだ。 
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