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無限の愛情こそが

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第一章

                無限の愛情こそが
 ルーマニアの首都ブカレストの非英霊動物保護団体のスタッフの一人であるジョージアナ=ネヤーグは家に帰ると夫のミハエルに言った。黒がかった長いブロンドと黒い目の中年女性で服は清潔なものである。
「犬を保護したわ」
「犬を?」
「車で帰っていたらね」
 白い髪の毛をオールバックにしていて背の高いアイスブルーの目で面長の彼に話した、彼も仕事だったが先に帰って料理をしている最中だった。この家では夫婦順番で料理を担当していて今日は彼がそうしているのだ。
「そこにこの子が来たのよ」
「クゥ~~~ン」
 茶色と黒、白の痩せた垂れ耳の犬だった、見れば身体は小さく生まれて一年も経っていない感じである。
「それで車を停めてね」
「保護したんだ」
「けれど最初はかなり怯えていたの」
 部屋に入れた彼を見つつ話した。
「私を見てもね」
「そうだったんだ」
「けれどご飯あげて頭と身体を撫でていたらね」
「懐いてくれてだね」
「お顔も舐めてくれたわ」
「君の本質をわかってくれたんだね」
「ええ、暴力なんて振るわないわ」
 ジョージアナは強い声で言った。
「そんなことはね」
「君は絶対にしないよ」
「だからね」 
 それでというのだ。
「私も他の子達に対する様に接したけれど」
「そうしたらだね」
「わかってくれて」
 そうしてというのだ。
「車にも乗ってくれて」
「この家に連れて来られたんだね」
「随分酷い目にあったらしくて最初は凄く怯えていたけれど」
「捨てられたか虐待されていたのかな」
「そこまではわからないけれど」
 それでもというのだ。
「最初は私を見ても怯えていたから」
「かなり酷い目にあっているね」
「そのことは間違いないわ、けれど保護したから」
「君の団体でだね」
「いい家族を探すわ」
 こう言ってだった。
 ジョージアナは夫と共にその犬を保護してまずは家に迎え入れてだった。
 施設に移動させてそこで医師の診察を受けて身体に異常がないことを確認して生後十一ヶ月と年齢も確認してだった。
 パウラと名付けて里親を探した、すると心優しい中年の子沢山の夫婦が彼を家族に迎え入れてだった。
 ジョージアナは後日家族の家に行くとパウラは丸々と太って毛並みもよかった、そして彼女に会うと尻尾をぱたぱたと振った。家族と一緒に過ごしている彼はもう誰も怯えていなかった。
 パウラに再会した後でジョージアナは団体の研修でイギリスマンチェスター州ウォースリーの動物保護施設を訪問した、すると。 
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