僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結
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14-⑻
その年の大晦日、恒例のおせち料理の製造が始まった。今年は、3~4人前のお重も作ると、美鈴が言って居た。7寸大の一段重らしい。いつものお重は、150セット、3~4人前のは、70セット。そのうちの30セットは美鈴を後押ししてくれている食品会社の森下社長からの注文らしい。
昇二も昨日帰って来たみたいで、朝早いが来てくれていた、それに、光瑠も・・いつものメンバーに加えて、ナカミチのメンバーも増えていたし・・だけど、僕は、受取の時間までに出来上がるんだろうかと、不安だった。前日に
「美鈴 大丈夫かな 去年より、だいぶ増えているけど」
「うん、パン屋さんとか、お煎餅屋さんも、宣伝してくれたし、森下さんも買ってくれたからね でも、大丈夫 人も多いし、広くなったから効率も良くなるから」と、言っていた。
美鈴の言う通り、11時過ぎには、2/3が終わっていた。休憩タイムをしようとなって、武君がサンドイッチを用意していてくれたのだ。
「清音 少し、手が遅い」と、明璃ちゃんが、言っていたが
「しょうがないじゃん 初めて、なんだから」と、清音も言い返していたが
「えーそうだったっけー 何か、昔から、一緒のような気がしてた」
「そうだね ウチ 中学の時、もっと、明璃と仲良くなってたら良かった」
「まぁ ええやん これからも、仲好しなんだから・・」
「このふたり 明日 初詣に行くんだって・・ 俺がボディガードで付いて行ってやるって言ってんのに、二人だけが良いんだってさ」と、昇二がグチでもないんだろうがバラしていた。
それから、残りを予定の2時すぎに仕上がっていた。みんなは、順次、帰って行った。清音ちゃんは、帰って、田中さんとお正月の料理を教えてもらいながら、作ると早々に帰って行った。彼女は、2日の日に遊びに来るねと言っていた。僕は、昇二に
「いつ、東京に・・」
「4日の切符取ってあるんだ」
「じゃぁ、3日の日にうちに来ないか? みんなで、集まろうよ どうだ? 光瑠も」
「そうだな もう、あんまり、集まる機会も無いかも知れないしな」
「そうね お昼頃ね でも、あんまり、お料理要らないわよ 普段、働き通しなんだから、美鈴を休ませてあげてね」と、光瑠は気を使っていた。
その間に、美鈴は、佳乃ちゃんを呼んで、特別に裏で寸志と言う形で渡していたみたい。後で、美鈴が打ち明けてくれたが、佳乃ちゃんは、他の人には、内緒ということなので、受取を断っていたそうだが、美鈴は、慣れないのを頑張ってくれたしクリスマスの時もサンタさんをやってくれたから、妹さんに何か買ってあげなさいと無理やり、押し付けたと言う事だった。
僕は、希望していた学校も辞めて、家族の為に働いている佳乃ちゃんに、自分の昔と重なる部分があると思っていたのだろうと。
「私も いろんな人に助けてもらったから、今がある」と、言って居た。
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