ハッピークローバー
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第七話 テストの結果はその十五
「やっぱりね、ただ」
「ただ?」
「これって魔女狩りだけじゃなくて」
「他のお話もよね」
「そんな力があるなら捕まらないとか」
そうしたというのだ。
「考えに至るわよね」
「所謂陰謀論ね」
「さっき富美子が話していた宇宙人とか世界を陰で操る組織とか」
「そうしたのが実在したら」
「もうとっくにね」
一九九九年七月以前にというのだ。
「動いていてね」
「世界は滅亡していたわね」
「他のお話も。何とかの議定書だって」
一華はシオンの議定書のことをこう話した、所謂ユダヤ系への悪質なデマコーグである。勿論この様な議定書は捏造である。
「書かれてる様な力があったら」
「もうよね」
「とっくに世界征服してたわよ」
「そうなるわね」
「それでそれを言う人がいたら」
その陰謀論をだ。
「消してるわよ」
「口封じね」
「そうしてる筈よ」
「そこまでの力があるってことね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「その筈よ」
「そうなっていないってことがね」
「そんな話がないってことよ」
「そうなるわね」
「だから魔女狩りで捕まった人には魔女は一人もいなくて」
その実はというのだ。
「拷問受けて火炙りになったのは」
「無実の人ね」
「皆ね」
「そう思うと」
理虹は眉を曇らせて言った。
「酷過ぎるわね」
「そうよね」
「それで何十万もの人が死んだから」
「殺されたからね」
「それも惨たらしく」
その残虐さたるや人間は何処まで残虐になれるかということを証明せんとしているかの如くであった。
「そうなっていたから」
「そう思うとね」
「酷過ぎるわね」
「このお話は」
「若し煽られたら」
かな恵も今は暗い顔で言った。
「私達もね」
「同じことするかも知れないわね」
「ええ、人間だからね」
「魔女狩りした人も人間だから」
「そう、だからね」
同じ人間だからだというのだ。
「それでね」
「煽られないことね」
「それが大事よね」
「予言みたいなことに」
「それにおかしな人にね」
「おかしな人の話は聞かない」
絶対にというのだ。
「それが大事よね」
「そうよね」
「まずはね」
こうした話をした、五人はテストが終わり合コンの前にそうした話をした。五人にとっては煽られないことも大事だとわかった大事な時だったがこの時はまだ実感していなかった。
第七話 完
2021・9・23
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