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八条学園騒動記

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第六百四十三話 カルトとは何かその四

「そしてだ」
「虐げていてか」
「残虐な振る舞いにだ」
「搾取に収奪か」
「そうしたことばかりしてだ」
 そうしてというのだ。
「己の甘しい欲望を満たしている」
「それがあいつ等だな」
「お前も知っているな」
「連合にいるからな」
 だからだとだ、タムタムも答えた。
「そのことはな」
「そうだな」
「子供の頃から聞いている」
「あいつ等のことはだな」
「エウロパ貴族は悪の権化だ」
「どんな醜い悪事もするな」
「良心なぞないな」
 タムタムは言い加えた。
「そうだな」
「傲慢でな」
「人を人と思わない」
「そうした連中だとな」
 その様にというのだ。
「俺も見ている」
「俺もだ、というか連合にいればな」
「そう思うな」
「そしてそれは事実だ」
「連中は今もそうしているな」
「青い血は人間の血か」
 エウロパ貴族がよく言う高貴な血はというのだ。
「それは」
「人間の血は赤だ」
 これがフランツの返事だった。
「他にない」
「そういうことだ」
「だからエウロパ貴族は人間じゃないか」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「絶対にな」
「そうなのか」
「青い血は例えだが」
 それでもというのだった。
「心がだ」
「あいつ等は人間じゃないか」
「人間は姿形じゃない」
「それでなるものじゃないか」
「心でなるものだ」
 それでというのだ。
「だから心が人間でないとな」
「そいつは人間じゃなくなるか」
「そうなる」
 こうフランツに話した。
「それでな」
「そうなんだな」
「だからエウロパ貴族は人間じゃない」
 彼等はというのである。
「人間の心を持っていないからな」
「それでか」
「あいつ等は人間じゃない」
「そうなるか」
「餓鬼もだな」
「心が餓鬼だからか」
「餓鬼になる」
 そうなるというのだ。
「姿形が人間でもな」
「心が餓鬼になるとか」
「餓鬼だ」
 もうそれでというのだ。
「そうなるからな」
「あの連中もか」
「心が人間でないからだ」
「人間でないか」
「化けものだ」
 タムタムはこう言った。 
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