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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結

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13-⑺

 9月も、残り1週間になった時、シャルダンが店頭に移転・閉店のことを店頭に貼り出したらしかった。そして、朝の時間に突然、松永さんがやってきた。

「なんとか、抜け出せたので、オープン祝いを兼ねてね」

「わざわざ、有難うございます。お陰様で、いいお店になりました。」

「頑張ったね お嬢さん」と、言って、調理場のほうを覗いて、お父さんと晋さんに挨拶をしていた。

「シャルダンのこと聞いたよ。望み叶って良かったね」

「えぇ でも、まだまだです。叱られたんです。清音から・・ お父さんの夢は、そんなんじゃぁないって そうですよね 「ナカミチ」は地域のお客様から、誰からも、愛されるようなお店になっていかなきゃなんないです それが、「ナカミチ」の目指すところなんですよね 私、見失っていました。清音に教えられたんです」

「そうか 清音ちゃんがなぁー 「ナカミチ」のことは、忘れていなかったんだ」

「ええ セールの時も、自分の仕事終わってから、手伝いにきてくれたんです」

「そうか 姉妹で頑張ってくれているのを見ると中道さんも嬉しいだろうなぁー」と、少し、寄っただけだからと、又、お父さんに声を掛けて帰って行った。

「オーナー 元気でやってくれよな 店も大きくなって、いい後継者もできて、楽しみだろうー」

 
 そして、佳乃ちゃんも、ウチにきて、1週間が過ぎていたのだが、相談があると言ってきた。

「店長 私 舞依さんから、毎日 叱られて・・ 辛いんです お客様の名前 覚えられなくて あと、来られた時に、必ず、一言声をお掛けするんですよって その人の身になってって でも、私 なかなか出来なくて・・」と、少し、涙ぐんでいた。

「そう それで、お客様の注文はちゃんと聞けて、笑顔で接してくれている?」

「ええ それは、間違ったことはないんですけど・・」

「あのね 舞依ちゃんて 素晴らしいの だから、あなたにも、早く慣れて欲しいって、思っているのよ 多分 だから、言い方、きついかも知れないけど それに、負けちゃぁ駄目よ あなたなら、わかるよね」

「はい でも、私 どんくさいから」

「そんなことないわよ ちゃんと接客出来ているじゃぁない ひとつひとつ やっていけば、いいのよ あのね 馴染みのお客様 何人か覚えたでしょ 向こうからも佳乃ちゃんに声掛けられたら うれしいんじゃぁないかしら だから、こっちからも、先にお声掛けをする その繰り返しよ だんだんと積み重ねていけばいいのよ ダメよ 自分を見失っちゃぁ あなた 自分を犠牲にして、お母さんと妹さん 助けるって決めたんでしょ」

「店長さん 私 頑張ります」と、なんとか、元気になったみたいだった。    
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