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八条学園騒動記

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第六百四十二話 修羅道その六

「そうなるからな」
「内輪揉めのない国にすべきか」
「揉めることが全くない社会もないが」
 それでもというのだ。
「出来る限り少なくすることが出来る」
「だからか」
「今以上にな」
「真の平和に近付くか」
「そうした社会にしたい」
 こうフランツに話した。
「俺の出来る限りのことでな」
「真の平和か」
 フランツはタムタムが言うそのことについて彼なりに考えて述べた。
「俺は戦争がなかったらな」
「つまり今みたいにか」
「それがずっと続いたらな」 
 それならというのだ。72
「もうそれでな」
「真の平和か」
「そう思っているがな」
 今でもというのだ。
「連合の何処もこうして飲んで食べて楽しく過ごせれば」
 豚バラの串焼きを食べつつ話した。
「それでだ」
「真の平和か」
「そう思うがな」
「間違いじゃないと思う」
 タムタムはフランツのその言葉を否定しなかった。
「その考えもな」
「間違いじゃないか」
「ああ、戦争がないことはそれだけで幸せだ」
「誰も戦争で死なないし何も壊されなくてな」
「色々な人が巻き込まれて人生を狂わされずに済む」
 だからだというのだ。
「戦争がないならな」
「それだけで幸せだな」
「無闇に戦争を求めるなら」
「誰も幸せにならないな」
「やたら好戦的な宗教もあるが」
 連合にもそうした宗教は存在している、多くの宗教は平和を求め愛するが全ての宗教がそうだとは限らないのだ。
「そうした宗教は大抵な」
「おかしいな」
「そうだ、カルトだ」
 そう言っていい宗教団体だというのだ。
「好戦的なものはな」
「碌なものじゃないか」
「戦争を言って煽ってだ」
 そうしてというのだ。
「自分達は安全な場所にいる」
「戦争をせずにか」
「そして自分達だけが利益を得る」
「卑怯だな」
「それか目的を適える、これも利益だな」 
 そうなるというのだ。
「兎角だ」
「戦争を煽ってか」
「多くの犠牲や破壊を生じさせてな」
「自分達だけがいい目を見るか」
「戦争を煽る宗教があれば」 
 それこそというのだ。
「最初から胡散臭いとだ」
「思うことか」
「そうだ、平和でこそ野球も出来るな」
「戦争が起こってスポーツが出来るか」
 フランツもこう言った。
「幾ら何でも」
「そうだ、野球にしても他のスポーツにしてもな」
「平和だからだな」
「出来るものでだ」
 タムタムはさらに話した。
「若し戦争がしたいならな」
「野球をするなとなるか」
「そうなる」
 確実にというのだ。
「事実戦争に行って戦死した野球選手もいる」
「日本でもいたな」
「そうだ、沢村栄治さんもな」
 この時代では伝説どころか神格化されているこの投手もというのだ。 
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