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ハッピークローバー

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第六話 中間テストその十

「それでもね」
「美味しいわよね」
「そうだったわ」
「それ言ったら鰐も美味しかったわよ」
 留奈はこちらの生きものの話をした。
「爬虫類だけれどね」
「鰐もなの」
 かな恵はこの生きものについては知らないという感じだった、ラーメンと人参を食べながら応えた。
「そうなの」
「ええ、ちょっと癖があるけれど」
「美味しいの」
「やっぱり鶏肉みたいな味でね」
「そうなのね」
「結構いけたわ」
「昔ヤクルトにいたパリッシュさんが好きだったけれど」
 それで有名な選手だった。
「阪神にもおられたけれど」
「鰐好きだったの」
「そう、鰐を食べて」  
 このことは本人が言っていた。
「それがパワーの源だったってね」
「言っておられたのね」
「そうだったのよ」
「成程ね」
「私ダチョウ食べたことあるけれど」
 一華はどうかという顔で言ってきた。
「爬虫類や両生類ってそうした味だったのね」
「みたいね」
 富美子が応えた。
「どうも」
「ダチョウ美味しかったわ」
「そう聞くけれど本当になのね」
「ええ、結構お勧めよ」
「そうなのね」
「というか外見がどうでも」
 それでもというのだ。
「美味しかったらね」
「食べたらいいわね」
「そうよね」
「まあかな恵が食べた火鍋のマトンはね」
 富美子はこちらの肉の話もした。
「ちょっと匂いするけれどね」
「マトンはそうよね」
「同じ羊でもラムはしないけれど」
 マトンは成人した羊の肉でラムは子羊の肉である。
「マトンはね」
「確かに匂いがするわね」
「あの匂いが食欲をそそるっていうけれど」
「富美子としては」
「ちょっと抵抗あるの、味は好きだけれど」
 マトンのそれはというのだ。
「滅茶苦茶カロリー低くて安くて身体の脂肪も燃やしてくれるけれど」
「色々いいけれどね」
「けれどね」
 それでもというのだ。
「あの匂いにね」
「抵抗があって」
「好きなことは好きでも」
「大好きとまではいかないのね」
「実は私豚肉が一番好きで」
 自分の好きな肉の順番も話した。
「次に牛肉、鶏肉でね」
「次に羊なのね」
「いえ、馬で」
「馬なの」
「馬刺し好きだから」
 それでというのだ。
「だからね」
「馬の次なの」
「そうなの」
「そうなのね、まあ馬刺しって美味しいわね」
 一華もそれはと応えた。
「あれは」
「そうでしょ、美味しいでしょ」
「お魚のお刺身も美味しいけれど」 
「馬刺しもいいでしょ」
「ええ」
 一華はその通りだと頷いて答えた。 
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